斯波義種

スバ義種（しば よしたね）

斯波義種は、南北朝時代から室町時代にかけて活躍した武将であり、大名として知られる存在です。彼は、室町幕府において小侍所の頭人や侍所頭人、さらには加賀・越前・若狭・信濃・山城の守護としても知られています。義種は斯波高経の五男であり、兄弟として家長、氏経、氏頼、義将と共に、斯波家を支えました。後の世代においても、彼の子孫たちは引き続き重要な役割を果たしました。

義種は観応3年（1352年）、足利一門の有力者である父、斯波高経の子として誕生しました。彼は父の特別な偏愛を受けて育ち、若い頃から公職に就く機会を多く得ました。康安2年（1362年）には従五位下民部少輔に任命され、その翌年には小侍所の頭人に、さらに次の年には侍所頭人及び山城の守護に昇進しました。

しかし、貞治5年（1366年）の貞治の変という事件により、父は失脚し、義種も兄と共に都を離れざるを得ませんでした。やがて父が亡くなると、彼と兄は赦免され、幕府に復帰します。その後、義種は伊予守や修理大夫といった官位を得て、加賀や信濃の守護職を任されるに至り、名実ともに有力な守護大名となりました。

応永2年（1395年）、彼は三代将軍・足利義満の出家に従い、兄と共に髪を剃りました。そして、応永15年（1408年）2月2日に57歳で逝去。彼の法名は広徳院殿道守高節です。

大野斯波家の成立

義種は越前で大野郡の郡司を任され、これにより大野斯波家の初代となりました。彼の家系は、将軍の推薦を受けて朝廷から代々修理大夫や民部少輔に任命されるなど、越前地方において非常に重要な地位を築きました。大野斯波家は、武衛家の有力な分家として、斯波一族内でも重要な役割を果たしていきました。特に、義種の曾孫である斯波義敏は、嗣子が絶えた武衛家を引き継ぐことで、その名声をさらに高めました。

ただし、義種の子である満種の代になると、加賀守護職は早くも喪失してしまい、大野斯波家はその後の時代において長続きしなかったものの、幕府内では重要な存在であり続けました。後に、細川典厩家や一色式部少輔家と同様に、地方における分郡守護としての役割を担う家柄に属していきます。

参考文献

• - 今谷明・藤枝文忠編『室町幕府守護職家事典〔下〕』(新人物往来社、1988年)
• - 『歴史と旅 増刊「守護大名と戦国大名」』(秋田書店、1997年)

関連項目

• - スバ氏
• - 室町時代の人物一覧

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