新なにわ筋

新なにわ筋：大阪の南北を貫く大動脈

新なにわ筋は、大阪府大阪市の南北を走る主要幹線道路です。その全長は約11kmにも及び、野田阪神前交差点から堺市に繋がる阪堺大橋までを結んでいます。略称として「新なにわ」と呼ばれることもあります。

路線概要と特徴

新なにわ筋は、大阪府道29号大阪臨海線に指定されており、北加賀屋交差点から南加賀屋4交差点間は大阪府道42号住吉八尾線と重複しています。福島区の中央部から始まり、北区の中之島、西区、浪速区、西成区、そして住之江区と、大阪市の主要な地域を縦断しています。

特に、土佐堀3交差点から汐見橋交差点までの区間は、汐見橋（道頓堀川）を除き幅員50mと非常に広く、大阪都心部を南北に貫く幹線道路の中でも最大規模を誇ります。この区間にはOsaka Metro千日前線が地下を走っており、歩道と分離された自転車道も整備されている場所もあります。一方、汐見橋やかつて存在した新鰹座橋（長堀川）の幅員は32mと狭く、歴史的な経緯を反映した変化が見られます。

Osaka Metroの路線は千日前線以外にもあり、北加賀屋交差点から住之江公園前交差点間には四つ橋線が地下を通っています。また、高架区間では阪神高速15号堺線が汐見橋交差点から芦原出口まで並走し、西側には南海汐見橋線が続きます。芦原出口から芦原橋駅前交差点間では、JR西日本大阪環状線が西側を並走しています。さらに、阿波座駅前交差点以北の高架上には阪神高速3号神戸線が通っています。

芦原橋駅前交差点以南は、かつて阪堺電鉄（大阪市電阪堺線、通称：三宝線）の軌道線として敷設された区間で、「電車道」や「三宝線」の通称で呼ばれることもあります。この区間、特に西成区津守地内には南海汐見橋線を跨ぐ鶴見跨線橋があります。これは市電廃止後も道路として転用されたため、幅員が狭く、架線柱の痕跡が残るなど、歴史を感じさせる構造となっています。車両総重量制限（車両総重量4.5t以下、車両高さ2.3m以下、車両幅2m以下の2輪車を除く）があり、大阪シティバスの29号系統などは、この橋梁ではなく平面道路の踏切を通行しています。

鶴見跨線橋を含む西成区北津守から南津守にかけての区間は、道路幅が狭く最高速度が40km/hに制限されています。加えて、木津川下流域は工業地帯であるため大型車両の通行も多く、見通しの悪いカーブも存在し、交通事故の発生率が高いことも課題となっています。

通過する区と周辺情報

新なにわ筋は、福島区、北区、西区、浪速区、西成区、住之江区の6区を貫いています。沿線には、阪神電気鉄道本社、大阪市中央卸売市場本場、大阪法務局西出張所、大阪西郵便局、大阪市立中央図書館、大阪市公文書館、東洋紙業大阪本社、大阪人権博物館、大阪府立西成高等学校、住之江公園、大阪護國神社、住之江競艇場など、多くの重要な施設が立地しています。また、Osaka Metro各線、阪神本線、JR大阪環状線、南海汐見橋線など、複数の鉄道駅にもアクセスできます。ただし、一部の駅は新なにわ筋から300m以上離れている場合もあります。

接続路線

新なにわ筋は、曽根崎通、中之島通、土佐堀通、本町通、中央大通、長堀通、千日前通、大浪通、あみだ池筋、国道43号、南港通、住之江通、大和川通など、大阪の主要な道路と接続しています。また、阪神高速3号神戸線、15号堺線、16号大阪港線とも接続しています。

まとめ

新なにわ筋は、大阪市の発展を支える重要な幹線道路です。歴史的経緯と現代的な交通需要を反映した、多様な特徴を持つ道路として、今後の更なる整備・改良が期待されます。

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