新城 (川崎市)

神奈川県川崎市中原区新城について

新城（しんじょう）は、神奈川県川崎市中原区に位置する地名です。行政上は、新城一丁目から五丁目までの住居表示が実施された区域と、大字としての新城が併存しています。新城の周辺には、上新城、新城中町、下新城といった「新城」を冠する町名がありますが、これらは新城から分離して設置されたものです。

地理

中原区の西端に位置し、全体的に平坦な地形です。武蔵新城駅の南口を中心に商店街が発達しており、その周囲は住宅地となっています。新城は、北は南武線を境に高津区末長や上新城、東は新城中町、南は下新城、西は高津区の千年新町や新作と接しています。

地価

住宅地の地価は、2024年1月1日の公示地価によると、新城4-11-6の地点で39万4000円/m²となっています。

歴史

中世以前

この地域は、稲毛本荘（現在の宮内）に近い場所で、平安時代末期以降に新田開発が行われました。「稲毛本荘検注目録」にもその様子が記録されています。ただし、「小田原衆所領役帳」には「稲毛荘木月郷屋けへ方」とあり、この「屋けへ」が当地の小名に比定されることから、当初は他の村の一部であり、独立した村となったのは江戸時代に入ってからです。

近世

江戸時代初期、当地は天領でしたが、天正年間には旗本の中川氏に与えられ、幕末まで同氏の支配が続きました。農地としては水田が多く、村高は「武蔵田園簿」で200石、「元禄郷帳」や「天保郷帳」では300石となっていました。用水は二ヶ領用水の分流から引かれ、岩川村（現在の千年）との間に溜池もありました。農閑期には菰蓆作りが行われ、平地のため薪の確保が難しく、野川や千年まで出かけて開墾を行っていました。また、将軍が鷹狩をする際には、当地からも人足が徴発されていました。

近現代

明治維新後、当地は神奈川県に属し、新城村、中原村、中原町を経て川崎市となりました。野菜や桃の栽培が行われるようになり、不在地主も増加しましたが、基本的には農地として発展しました。1927年に南武鉄道（現在の南武線）が開通し、武蔵新城駅が設置されました。1942年には、駅南側の水田が埋め立てられ、計画的な住宅地へと変わっていきました。戦後、1950年頃から駅南側に商店が進出し、駅南口の開設と同時に商業地として発展しました。

当地には明治時代から続く7つの小字がありましたが、地元ではあまり定着せず、上・中・下の3分割で呼ばれていました。昭和30年代の土地改良後には、この3つに加えて昭和17年に埋め立てられた区域を含む中央の4町会が成立しました。1979年、中原区で初めて住居表示が行われた際、この4町会がほぼそのまま活用され、上新城、新城中町、下新城、新城の町が設置されました。

地名の由来

平安時代末期から近隣に存在した「稲毛庄」に対して、新しく開かれた土地が「新庄」と呼ばれ、後に「新城」に転じたと考えられています。

沿革

1204年（元久元年）：「武蔵国稲毛新庄」の記録が残る。
1611年（慶長16年）：二ヶ領用水が完成し、当地も潤う。
1868年（明治元年）：明治維新。当地は神奈川県に属する。
1874年（明治7年）：大区小区制施行により、当地は第5大区第3小区に属する。
1889年（明治22年）：町村制施行により中原村が成立。新城はその大字となる。
1917年（大正6年）：電灯がともる。
1923年（大正12年）：関東大震災。当地も被害を受ける。
1925年（大正14年）：中原村と住吉村の大半が合併し、中原町を新設。当地は中原町新城となる。
1927年（昭和2年）：南武鉄道が開通、武蔵新城駅が設置される。
1933年（昭和8年）：中原町が川崎市に編入され、川崎市新城となる。
1942年（昭和17年）：駅南側の水田が埋め立てられ、住宅地となる。
1957年（昭和32年）：土地改良事業が開始される。
1965年（昭和40年）：武蔵新城駅の南口が開設される。
1972年（昭和47年）：川崎市が政令指定都市に移行し、川崎市中原区新城となる。
1979年（昭和54年）：ほとんどの区域で住居表示が施行され、新城1丁目～5丁目、上新城1丁目・2丁目、新城中町、下新城1丁目～3丁目が設置される。
2022年（令和4年）：神奈川県が新城、新城1丁目、3丁目、5丁目を暴力団排除特別強化地域に指定。

世帯数と人口

（2024年9月30日現在、川崎市発表）

（詳細なデータは省略）

学区

（市立小・中学校の学区は省略）

事業所

（2021年経済センサス調査による事業所数と従業員数は省略）

交通

鉄道：南武線が当地の北端を通過し、武蔵新城駅の南口が隣接。
路線バス：武蔵新城駅を基点に各方面へのバスが運行。

施設

駅周辺には、あいモール・サンモール・マイロードなどの商店街が広がり、スーパーマーケットのマルエツなどがあります。

金融機関

川崎新城郵便局
横浜銀行 新城支店
川崎信用金庫 新城支店
セレサ川崎農業協同組合 新城支店

その他

郵便番号：211-0044（集配局：中原郵便局）
警察：町内の警察管轄区域は省略

関連項目

新城 (曖昧さ回避)

参考文献

『川崎の町名』日本地名研究所 編、川崎市、1995年。
『川崎地名辞典（上）』日本地名研究所 編、川崎市、2004年。
『角川日本地名大辞典 14 神奈川県』角川書店、1984年。
新中原誌刊行会『川崎 新中原誌』有隣堂、1977年。

外部リンク

新城南口商店街

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