新富士駅 (北海道)

新富士駅（根室本線）

新富士駅は、北海道釧路市新富士町に位置するJR北海道根室本線の駅です。駅番号はK52。同地にはJR貨物の釧路貨物駅も併設されています。

歴史

新富士駅は、富士製紙釧路工場（後の日本製紙釧路工場）の専用線として1923年に開業しました。開設以前は、阿寒湖や釧路川から木材を流送し、馬車軌道で工場まで運搬していました。しかし、これらの輸送方法には多くの時間、労力、費用がかかっていたため、富士製紙は鉄道省に駅の設置を請願。用地と資金を富士製紙が提供することを条件に、駅と専用線が開設されました。これにより、流送や馬車軌道は廃止されています。

同時期に開通した雄別炭礦鉄道への専用線も敷設され、阿寒川流域の原木搬入に利用されました。最盛期には、釧路開発埠頭線が分岐し、駅の南東には操車場も置かれていました。1989年には浜釧路駅の貨物機能が移転し、コンテナホームが設置されています。

年表

1923年：根室本線に開業。富士製紙釧路工場専用線運用開始。
1946年：釧路埠頭倉庫が埠頭線を敷設。
1948年：雄別鉄道鳥取岐線に接続。
1967年：鶴居村営軌道が廃止。
1968年：雄別鉄道鶴野線が開通し、鳥取岐線廃止。
1970年：雄別炭鉱閉山により鶴野線廃止。
1979年：専用線発着を除く車扱貨物の取扱を廃止。
1984年：荷物・貨物の取扱を全廃し、旅客駅となる。
1986年：駅員無配置駅となる。
1987年：国鉄分割民営化によりJR北海道の駅となる。
1989年：JR貨物の駅が開業し、貨物の取扱を再開。
2011年：貨物駅を釧路貨物駅に改称。

駅構造

島式ホーム1面2線を有する地上駅です。ホームへは跨線橋で連絡しています。旅客列車は基本的に1番線を使用し、行き違いの場合のみ2番線を使用します。JR貨物の駅員が配置されていますが、旅客窓口業務は行っておらず、無人駅となっています。

釧路貨物駅

旅客駅北口の東側に位置し、1面1線のコンテナホームがあります。コンテナ荷役線は着発線荷役方式を採用。JR規格やISO規格のコンテナを取り扱い、乳製品、砂糖、魚介類、紙などを輸送しています。また、液化天然ガス (LNG) の輸送も行っています。

高速貨物列車は1日3往復、帯広貨物駅・札幌貨物ターミナル駅方面へ運行。トラック便は中斜里オフレールステーションとの間に運行されています。

駅周辺

駅周辺は、国際バルク戦略港湾の後背地として、工場や流通センターが多く立地しています。駅上空には、日本製紙釧路工場へチップを送るベルトコンベアとC重油を送るパイプラインが通っています。

隣の駅

JR根室本線：新大楽毛駅 - 新富士駅 - 釧路駅

かつて存在した路線

釧路開発埠頭北埠頭線：新富士駅 - 北埠頭駅
釧路開発埠頭西港線：新富士駅 - 西港駅
雄別鉄道鶴野線：鶴野駅 - 新富士駅

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