新座市シャトルバス

新座市シャトルバス（廃止）

新座市シャトルバスは、埼玉県新座市でかつて運行されていたコミュニティバスです。1995年10月1日、新座市の市制施行25周年を記念して運行を開始し、西武バス新座営業所が運行を受託していました。しかし、2007年6月30日をもって廃止されました（最終運行は前日の6月29日）。

概要

新座市シャトルバスは、埼玉県の自治体が運行するコミュニティバスでありながら、隣接する東京都清瀬市へ乗り入れ、清瀬駅を起点としていた点が特徴でした。

開業当初の主な目的は、1992年12月に西武バス清瀬営業所が廃止され、新座営業所へ移転したことに伴う、新座市役所へのアクセス改善でした。また、当時市役所へ向かう路線バスが運行されていなかった交通空白地域におけるアクセス改善も目的の一つでした。

しかし、時代とともに「どうしても市役所でなければ用件が済ませられない」という状況が減少し、運行ルートも市内を迂回する経路となっていたため、市役所へのアクセスは必ずしも便利とは言えませんでした。一部ルートの変更や運行本数の増回、新座駅への乗り入れなども行われましたが、利用状況は改善せず、本来の目的を十分に果たすことができませんでした。

その後、専用車両の排ガス規制による更新時期を迎えるにあたり、路線の在り方が検討された結果、2007年6月29日をもって廃止されることになりました。

同時期には、同じ埼玉県内で1996年に開業し、西武バスが運行を受託していた日高市内循環バスも廃止されています。

新座市シャトルバスの廃止後、高齢者など市民からコミュニティバス復活の要望が寄せられ、廃止から約2年3か月後の2009年10月1日には「にいバス」として運行が再開されました。にいバスは東武バスウエスト新座営業事務所が運行を受託し、現在も運行が継続されています。

運行担当事業者

西武バス新座営業所

西武バスによるコミュニティバスの受託は、練馬区、朝霞市、保谷市に続き、新座市が4番目でした。その後、川越市、日高市へと続いています。

運行内容

運賃・乗車券類

均一運賃ではなく、市内の一般路線バスと同様の運賃体系で、整理券方式による後払い方式が採用されていました。バス共通カードも利用可能でしたが、新座市シャトルバス専用の回数券や定期券は発売されませんでした。

路線

運行開始時（1995年）の路線

清瀬駅北口 - 新堀三丁目 - 八軒 - 新堀淵 - 小山入口 - 西堀南 - 西堀小学校 - 西堀 - 西堀テニスコート入口 - 総合運動公園 - 菅沢 - あたご会館入口 - 西武中央通り - 菅沢二丁目 - 中郷 - 十文字学園 - 新座駅南入口 - 野火止小学校 - 野火止緑道 - 新座市役所 - 野火止団地 - 畑中公民館 - 原ヶ谷戸 - 蓮光寺 - 新座高校 - 第四小学校 - 福祉の里 - 新座総合技術高校

※全停留所掲載、区間便なし。1日8往復運行。いずれも平日・月曜 - 金曜のみの運行。

2003年改正時の路線

清瀬駅北口 - 小山入口 - 西堀 - 総合運動公園 - 菅沢 - 西武中央通り - 十文字学園 - 新座駅南入口 - 野火止緑道 - 新座市役所 - 畑中公民館 - 新座高校 - 池田小学校入口 - 新座栄 - 新座総合技術高校
清瀬駅北口 - 小山入口 - 西堀 - 総合運動公園 - 菅沢 - 西武中央通り - 十文字学園 - 新座駅南入口 - 野火止緑道 - 新座市役所 - 県営新座馬場団地 - 大橋交差点 - 池田小学校入口 - 新座栄 - 新座総合技術高校

※いずれも平日・月曜 - 金曜のみの運行。主なバス停名を記載。

廃止時の路線

清瀬駅北口 - 小山入口 - 西堀 - 総合運動公園 - 菅沢 - 西武中央通り - 十文字学園 - 新座駅南入口 - 新座駅南口 - 野火止緑道 - 新座市役所 - 畑中公民館 - 蓮光寺 - 池田小学校 - 新座栄 - 新座総合技術高校
清瀬駅北口 - 小山入口 - 西堀 - 総合運動公園 - 菅沢 - 西武中央通り - 十文字学園 - 新座駅南入口 - 新座駅南口（朝の清瀬駅行き始車、夜間の新座駅行き終車前と終車のみの運行）
清瀬駅北口 - 小山入口 - 西堀 - 総合運動公園 - 菅沢 - 西武中央通り - 十文字学園 - 新座駅南入口 - 新座駅南口 - 野火止緑道 - 新座市役所 - 県営新座馬場団地 - 大橋交差点 - 池田小学校入口 - 新座栄 - 新座総合技術高校

※いずれも平日・月曜 - 金曜のみの運行。主なバス停名を記載。

車両

1995年の運行開始にあたり、専用車両として日野・リエッセ（KC-RX4JFAA）が3台（A5-309、A5-310、A5-311）導入されました。1997年12月8日にリエッセの路線仕様に車椅子用ステップリフトバスが追加される以前の導入であったため、3台とも車椅子用リフト無しの折戸仕様でした。

車体は上下にグラデーションのかかった淡いピンク色を基調とし、側面には濃淡の緑色の2本の帯が曲線を描いて流れ、水色の花（新座市の花であるコブシ）が散りばめられた上品なデザインでした。車両前面には「新座市シャトルバス」、側面には大きく「NIIZA CITY」の文字が書かれていました。

車体外装の図柄は、地元の埼玉県立新座総合技術高等学校の生徒の案が採用されました。なお、「にいバス」でも同校の生徒がデザインを担当しています。

新座市の特別名誉住民である手塚治虫氏の代表作「鉄腕アトム」のデザインが、シャトルバス車外側面にマグネットで貼付されたこともありました。

専用車両の車検時には、一般路線用のワンステップ中型短尺車である日産ディーゼル・RN（富士重工架装）が代走し、新座市シャトルバス用の方向幕があらかじめ用意されていました。

参考文献

『バスジャパン ハンドブックシリーズ R51 西武バス』BJエディターズ、2004年1月1日。ISBN 4-434-04071-5。 - 50ページに専用車両の写真が掲載されています。
『バスジャパン ハンドブックシリーズ S83 西武バス』BJエディターズ/星雲社、2014年2月1日。ISBN 978-4-434-18845-9。

関連項目

新座市#交通
にいバス - 市民からの再開要望により2009年に運行開始したコミュニティバス。東武バスウエスト新座営業事務所が運行受託。
埼玉県立新座総合技術高等学校 - 新座市シャトルバス・にいバスの車体デザインを生徒が手がけた。
西武バス新座営業所
朝霞市内循環バス - 隣接する朝霞市のコミュニティバス。同時期の1994年開業。西武バス新座営業所を含む3社が運行受託。
日高市内循環バス - 同じ埼玉県内で同時期に開業し同時期に廃止されたコミュニティバス。西武バスと国際興業バスが運行受託。
はなバス) - 隣接する東京都西東京市のコミュニティバス。旧・保谷市コミュニティバス「キャンバス」を引き継ぐ形で運行開始。
コミュニティバス
日本のコミュニティバス一覧#廃止されたコミュニティバス

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