新末後漢初

新末後漢初

新末後漢初（しんまつごかんしょ）は、中国において新朝が滅亡し、後漢が勃興するまでの時代を指します。この時代は、王莽による急進的な改革が社会を混乱させ、各地で反乱が勃発、最終的に光武帝劉秀によって後漢が統一されるという激動の時代でした。

王莽の政治と失政

前漢を簒奪して帝位についた王莽は、儒学の復古主義に基づき、周代の井田制を理想とする土地制度改革や貨幣改鋳などの政策を打ち出しました。しかし、これらの政策は当時の社会状況を無視したものであり、経済を混乱させ、農民の生活を困窮させました。

特に貨幣の度重なる改鋳は、市場を混乱させ、物価高騰を招きました。また、土地の国有化は、地方豪族の反発を招き、王莽政権の支持基盤を揺るがすこととなりました。

外交政策もまた、王莽の華夷思想に基づいたものであり、周辺民族との関係を悪化させました。匈奴や高句麗に対して侮蔑的な称号を押し付けたことは、彼らの反発を招き、国境地帯での紛争を引き起こしました。

新の崩壊と各地の反乱

王莽の失政が続く中、各地で農民反乱が勃発しました。その先駆けとなったのが、呂母の乱です。呂母は、県宰に殺された息子の復讐を誓い、私財を投じて人々を集め、県宰を討ちました。呂母の死後、彼女の同志たちは樊崇を leader とし、赤眉軍を結成しました。

一方、緑林山を拠点とした緑林軍も勢力を拡大しました。緑林軍は疫病の流行により分裂しましたが、一部は南陽に入り、後の光武帝となる劉秀とその兄劉縯が参加しました。分裂した緑林軍は再び合流し、劉玄を皇帝として擁立、更始政権を樹立しました。

王莽はこれらの反乱軍を鎮圧するために討伐軍を送りましたが、昆陽の戦いにおいて劉秀率いる軍に大敗を喫しました。これにより、王莽政権の権威は失墜し、各地で反乱が激化しました。

後漢の成立と光武帝の統一

長安を占拠した更始帝は、奢侈な生活に溺れ、政治を顧みなくなりました。これに失望した赤眉軍は更始政権から離反し、劉盆子を新たな皇帝として擁立しました。

その頃、劉秀は黄河以北の地で勢力を拡大していました。彼は王郎を討伐し、河北を平定、自らの勢力基盤を確立しました。25年、劉秀は皇帝に即位し、後漢を建国しました。

その後、劉秀は各地の群雄を討伐し、天下統一を目指しました。彼は優れた軍事力と政治力をもって、梁王劉永、公孫述などのライバルを次々と打ち破り、36年に天下を統一しました。光武帝となった劉秀は、洛陽を首都とし、後漢を復興させました。

新末後漢初は、短い期間でありながら、中国の歴史において重要な転換期でした。王莽の失政による社会混乱、各地の反乱、そして光武帝劉秀による後漢の統一は、その後の中国の歴史に大きな影響を与えました。

同時代の勢力一覧

更始政権
赤眉軍
緑林軍
王郎
公孫述

関連項目

殷周革命
楚漢戦争
隋末唐初
元末明初
明清交替

脚注

* (参考文献や出典などを記載)

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