新納忠勝

新納忠勝とは

新納忠勝（にいろ ただかつ）は、戦国時代に活躍した武将であり、新納氏の8代目当主です。延徳3年（1491年）に7代目当主・新納忠武の子として生まれました。大隅国志布志を領地とし、周囲の豪族との戦いを繰り広げながら、領土を拡大していきました。

領土拡大と伊東氏との戦い

忠勝は、父の代から周囲の豪族と対立しながらも、着実に領土を拡大していきました。最盛期には、本拠地の志布志に加え、財部、大崎、末吉などを領有するまでになりました。しかし、享禄元年（1528年）になると、日向国の伊東氏が南下を開始。これに対し、忠勝は冷水原で伊東軍と交戦しますが、敗北。都城の北郷忠相に救援を求めますが、忠相は忠勝を快く思っていなかったため、伊東氏と手を組み、逆に忠勝を攻めました。これにより、忠勝は大きな痛手を負いました。

島津氏の内紛と新納氏の没落

その後も伊東氏は日向南部への侵攻を繰り返し、これに対抗するため、島津氏豊州家、北郷氏、北原氏などが連合を組みましたが、忠勝はこれに加わらず、独自に勢力拡大を狙いました。しかし、島津氏宗家では島津忠良・貴久親子と勝久・実久の間で内紛が発生。実久は日向南部の諸豪族を味方につけようとし、忠勝の跡を継いだ忠茂も誘いましたが、忠勝が実久側に付いた豊州家の島津忠朝や北郷忠相を嫌っていたため、これを拒否。これが原因となり、天文7年（1538年）には、島津忠朝、北郷忠相、肝付兼続らに攻撃されることになりました。新納氏の城は次々と陥落し、忠良からの援軍も得られなかったため、忠勝は降伏。子・忠茂は伊東氏を頼って佐土原へ亡命し、忠勝は次男・忠常と共に島津忠朝のもとに身を寄せました。こうして、新納氏の本領は豊州家と北郷氏によって分割され、新納本家は没落しました。

その後

忠勝は、失意のうちに天文18年（1549年）に亡くなりました。しかし、新納氏の血筋は完全に途絶えたわけではありません。島津氏の家臣として活躍した新納忠元などは、新納氏の庶流にあたります。また、新納本家も後に島津氏に仕え、江戸時代までその血脈を繋いでいます。

新納忠勝は、戦国時代の激動の中で、一時は勢力を拡大したものの、最終的には内紛に巻き込まれ、所領を失った悲劇の武将と言えるでしょう。しかし、その血筋は後の時代まで受け継がれ、歴史に名を残すこととなりました。

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