新興郡 (中国)

新興郡について

新興郡（しんこう-ぐん）は、中国にかつて存在した郡であり、後漢末から唐代にかけて、中国各地に同名の郡が立てられました。本記事では、それぞれの新興郡について解説します。

并州の新興郡

現在の山西省北部に設置された新興郡について解説します。

後漢末の215年（建安20年）に、雲中郡・定襄郡・五原郡・朔方郡が県に降格された際、これら4県を管轄するために新興郡が立てられました。当時の新興郡は并州に属していました。

晋代には、新興郡は九原・定襄・雲中・広牧・晋昌の5県を管轄していました。しかし、恵帝の時代に晋昌郡と改称されました。その後、再び新興郡が設置されています。

北魏時代の446年（太平真君7年）に、新興郡は肆州に転属となり、永安年間に永安郡と改称されました。当時の永安郡は、定襄・陽曲・平寇・蒲子・驢夷の5県を管轄していました。

北斉の時代に再び新興郡が置かれましたが、北周の時代に廃止され、雁門郡に編入されました。

隋代に入ると、582年（開皇2年）に銅川県に新興郡が置かれましたが、翌年の583年（開皇3年）に隋が郡制を廃止したことで、新興郡も廃止されました。その後、618年（義寧2年）に楼煩郡秀容県に新興郡が再び置かれました。

唐代に入ると、同年に新興郡は忻州と改められました。

梁州の新興郡

現在の湖北省十堰市に設置された新興郡について解説します。

南朝宋の末年に、晋昌郡を廃止して新興郡が立てられました。当時の新興郡は、吉陽・東関の2県を管轄していました。

南朝斉の時代も、新興郡は吉陽・東関の2県を管轄していました。

交州の新興郡

現在の中国とベトナムの国境地帯に設置された新興郡について解説します。

三国の呉が271年（建衡3年）に交阯郡を分割して新興郡を立てましたが、282年（晋の太康3年）に新昌郡と改められました。

新州の新興郡

現在の広東省雲浮市に設置された新興郡について解説します。

唐が621年（武徳4年）に蕭銑を平定した後、隋の信安郡新興県であった地に新州が置かれました。742年（天宝元年）に新州は新興郡と改称されましたが、758年（乾元元年）に再び新州と改称されました。

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