日本プロテスタント聖書信仰同盟

日本プロテスタント聖書信仰同盟：聖書信仰の確立と普及に貢献した団体

日本プロテスタント聖書信仰同盟（JPC）は、聖書信仰に基づくプロテスタントクリスチャンの連絡機関です。日本福音同盟の設立メンバーの一つとして、日本の教会史において重要な役割を果たしました。本稿では、JPCの歴史、活動、そして聖書翻訳への貢献について詳しく解説します。

設立と歴史的背景

1959年は、プロテスタント宣教開始から100年目にあたり、日本宣教百周年記念聖書信仰運動大会が開催されました。この大会では、聖書信仰を重視するグループとエキュメニカル派のグループがそれぞれ集会を開きました。この運動を継続発展させるため、翌1960年にJPCが設立されました。設立当初から、聖書信仰の普及と教理の確立に尽力し、数多くの活動を行ってきました。

多岐にわたる活動

JPCは、聖書信仰の理解を深めるため、全国各地でセミナーや講演会を開催し、多くの人々に聖書信仰の重要性を伝えました。出版活動も盛んに行われ、機関紙『聖書信仰』の発行を始め、『現代と聖書信仰』、『なぜ聖書信仰が必要か』など、聖書信仰に関する多数の書籍を刊行しました。これらの出版物は、聖書理解を深めるための貴重な資料となっています。

特に、尾山令仁氏による『聖書の権威』は、JPCの信仰を明確に示す重要な著作として知られています。この本は、聖書解釈における重要な指針となり、多くのクリスチャンに影響を与えました。

聖書翻訳への貢献

JPCは、聖書翻訳にも深く関わってきました。当時、広く用いられていた口語訳聖書に自由主義神学の影響が見られるとして、その翻訳の修正を訴えました。JPCは、日本聖書協会に改善を求める働きかけを続け、その努力が新改訳聖書の発行に繋がったとされています。聖書翻訳特別委員会を組織し、堀川勇氏、松尾武氏らを中心として、より正確で信頼性の高い聖書翻訳を目指した活動は、日本の聖書研究に大きな影響を与えました。

聖書論争と信仰宣言

聖書解釈をめぐる論争の中で、1987年、JPCは聖書の権威に関する宣言を発表しました。この宣言では、「聖書の全的無誤性」が福音派の合意として確認されました。この宣言は、聖書理解の統一に大きく貢献し、日本の福音派教会に大きな影響を与えました。

歴代実行委員長

JPCの活動を支えた歴代実行委員長は、日本のプロテスタント教会で指導的な役割を果たした著名な牧師たちです。

初代：常葉隆興（日本キリスト改革派教会）
第2代：蔦田二雄（イムマヌエル綜合伝道団）
第3代：尾山令仁（聖書キリスト教会）
第4代：泉田昭（日本バプテスト教会連合）
* 第5代：後藤茂光（日本福音キリスト教会連合）

これらの指導者たちの献身的な働きが、JPCの活動を支え、日本の聖書信仰の発展に貢献しました。

まとめ

日本プロテスタント聖書信仰同盟は、設立以来、聖書信仰の普及と教理の確立に尽力し、日本の福音派教会に多大な影響を与えてきました。聖書翻訳への貢献や、聖書解釈に関する論争への関与を通して、日本のクリスチャン社会に大きな足跡を残した重要な団体と言えるでしょう。今後も、聖書信仰に基づいた活動を通して、日本の教会社会に貢献していくことが期待されます。

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