日立レール (イタリア)

日立レール（Hitachi Rail S.p.A.）

日立レールはイタリアに拠点を置く企業で、大量輸送を目的とした鉄道車両の設計、製造を行っています。2015年に日立製作所がフィンメッカニカからアンサルドブレーダを買収したことにより、その歴史は始まりました。現在、この会社は日立レール・リミテッドの子会社として、日立レールイタリアに改名され、さらに2019年4月に日立レール（Hitachi Rail S.p.A.）として知られるようになりました。

会社概要

日立レールは、鉄道車両やその部品の設計と製造に特化しています。具体的には、車体や台車といった機械部品、整流器、インバータ、モーターといった電装品の開発を行っています。アンサルドブレーダの設計思想は、今でも日立レールの基本的な理念に根づいており、その技術力は高く評価されています。日立レールは、ナポリ、ピストイア、レッジョ・ディ・カラブリア、パレルモに事業所を構えています。

主な製品と受注歴

日立レールは、E402、ETR500、TAF、シリオなど、数多くの鉄道車両を国内外に向けて供給しています。特に、北米市場でも積極的に受注を行っており、1990年代中期にはボストンのマサチューセッツ湾交通局やサンフランシスコ市営鉄道として知られるSFMTAから老朽LRV車両の受注を行って以来、両都市には多くの車両が納入されています。また、ロサンゼルス郡都市圏交通局向けには地下鉄電車やLRT路面電車の製造を手掛け、これらの受注は1993年のブレダ社時代から続いています。

日立レールは無人自動運転に対応したドライバーレス・メトロの設計も行っており、これもまたアンサルドブレーダ時代からの技術を引き継いでいます。

主な受注案件

日立レールがこれまでに受注した案件をいくつか挙げると、まず2000年目のトレニタリア向けのETR500電車があり、2002年にはデンマーク向けの高速鉄道IC4を製造しました。2003年にはロサンゼルス郡都市圏交通局向けに路面電車を納入し、また2004年にはオランダ南高速線向けのV250を受注しました。

その後も、2009年サンフランシスコの台北捷運環状線用のドライバーレス・メトロ、2016年には新北捷運三鶯線向けのドライバーレス・メトロ、2019年にはフレッチャロッサ1000の増備分として14編成112両をボンバルディアと共同受注し、その後もトリノ市電向けや、フレッチャロッサ1000の受注を行っています。

日立レールは今後も市場のニーズに応じて、新たなプロジェクトへ取り組み、技術革新を推進することで、鉄道輸送の未来を切り拓いていくことでしょう。

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