日野俊光

日野俊光

日野俊光（ひの としみつ）は、鎌倉時代後期に活躍した公卿であり、歌人としても知られています。藤原北家真夏流日野家の一員として、権中納言・日野資宣の子として生まれました。最終的な官位は権大納言兼右衛門督にまで昇り、日野家17代当主として家を支えました。

略歴

俊光は、文章博士、右大弁、左大弁、蔵人頭といった要職を歴任し、永仁3年（1295年）には参議に任じられます。その後、同5年（1297年）に権中納言、文保元年（1317年）には権大納言にまで昇進しましたが、同年中に辞任しました。また、右衛門督も兼任しています。

伏見天皇の近臣として早くから頭角を現し、持明院統に長く仕え、歴代の当主を支えました。後伏見天皇、花園天皇、光明天皇の乳父を務めたことからも、その信任の厚さがうかがえます。一方で、大覚寺統の後宇多院の院司も務めるなど、両統との繋がりを持っていました。しかし、息子の資朝が後醍醐天皇に近侍するようになると、俊光は資朝と不和になり、義絶するという関係になってしまいました。

正中2年（1325年）には、持明院統の特使として鎌倉に下向し、皇位継承をめぐって持明院統に有利な裁定を幕府に求めました。しかし、嘉暦元年（1326年）5月15日、その任期の途中で関東にて67歳で亡くなりました。

歌人としては、各方面の歌合に頻繁に参加し、嘉元百首や文保百首の作者にも名を連ねています。その作品は新後撰集に初出し、勅撰和歌集には計33首が収録されています。家集として『俊光集』が残されています。

系譜

父：日野資宣
母：賀茂能継の娘
妻：阿野寛子 - 阿野公寛の娘
長男：日野資名 - 日野家18代
妻：三位局 - 亀山院女房
四男：柳原資明 - 柳原家の祖
妻：津守国助の娘 - 津守国冬の姉妹
生母不明の子女
次男：日野資朝
男子：賢俊 - 菩薩寺大僧正

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