柳原資明

柳原資明（やなぎわら すけあきら）は、鎌倉時代後期から南北朝時代にかけて活躍した公卿です。藤原北家真夏流日野家の一族であり、権大納言・日野俊光の四男として生まれました。「柳原殿」と呼ばれた邸宅に住んでいたことが、柳原を家名とする由来となり、彼が柳原家の祖となりました。

正安3年（1301年）に従五位下に叙任された後、文保元年（1317年）には花園天皇の蔵人に任じられ、以降は持明院統の天皇・上皇に仕えました。右大弁、左大弁、参議といった要職を歴任し、光厳天皇の時代には正三位権中納言にまで昇進します。

しかし、鎌倉幕府が滅亡し、後醍醐天皇による建武の新政が始まると、その昇進人事が無効とされたことに激しく反発しました。足利尊氏が光明天皇を擁立し、光厳上皇による院政が開始されると、資明は改めて権中納言に任じられ、北朝において有能な実務官僚として活躍することになります。建武4年/延元2年（1337年）には権大納言にまで上り詰めました。

貞和2年/正平元年（1346年）に一旦引退しますが、2年後には光明上皇の、さらに観応の擾乱後には崇光上皇の別当を務めるなど、その政治手腕は高く評価されていました。文和2年/正平8年（1353年）7月27日に薨去。赤痢が死因であると伝えられています。

系譜

父：日野俊光
母：三位局（亀山院女房）
妻：源康世の娘

生母不明の子女

男子：柳原宗光
男子：武者小路教光 - 武者小路家の祖
男子：土御門保光 - 土御門家の祖
男子：柳原忠光 - 柳原家2代
男子：光済

参考文献

* 『平成新修旧華族家系大成：下巻』霞会館編、吉川弘文館、1996年。

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