柳原家

柳原家の歴史

柳原家（やなぎわらけ）は、公家及び華族として広く知られ、藤原北家日野家の分流にあたる名家です。公家としての格は名家であり、華族としては伯爵家となっています。その起源は鎌倉時代末期に遡り、権大納言日野俊光の四男、柳原資明によって創設されました。資明の長兄である資名が光厳天皇の寵臣であったため、柳原家も北朝での影響力を持つようになりました。彼の世代から家名が柳原に決まった後、柳原家は代々朝廷に仕え、多くの当主が国文学に注力し、文章博士としての地位を得ていました。

昭和3年（1471年）、柳原量光が最後の文章博士となり、その後はこの伝統が途絶えました。戦国時代には所領が武士に奪われたため、家計が脅かされました。特に、因幡国法美郡に下向した資綱、量光、資定の3代では、直接土地を管理し家計を立て直す努力がなされました。資定には男子がなかったため、町家から養子を迎える選択がなされました。

江戸時代前中期、柳原家は霊元天皇の従兄弟に当たる資廉が武家伝奏として活動し、世襲貴族としての体制を維持していました。元禄14年（1701年）には、江戸城に赴いた際、徽使饗応役であった播磨国赤穂藩主への刃傷事件に巻き込まれるなど、波乱もありました。家族の中でも光綱は武家伝奏として名を馳せました。

柳原家の文筆業は引き続き継承され、紀光は歴史書『続史愚抄』を編纂しました。江戸時代中期の家禄は202石で、京都の中筋に屋敷を構えていましたが、幕末には時代の変革を迎えました。

幕末の当主、光愛は廷臣八十八卿列参事件に参加したが、幕府からの弾圧により解官されることとなりました。しかし、その後、明治天皇の信任を受けて復職し、重要な地位に戻りました。

明治における活躍

光愛の息子、前光は維新期の著名な公家とされ、戊辰戦争では副総督を務め、重要な役割を果たしました。明治維新後には外務省に入省し、外務大丞、清国公使に就任しました。彼は1871年には日[[清修好条規]]を締結するために清国へ派遣され、明治7年には台湾出兵に関する交渉も手掛けました。前光は、さらに元老院議長や枢密顧問官などを歴任し、明治時代の政策に寄与しました。

1869年の行政官達によって華族制度が確立されると柳原家も華族に列し、戦功により賞典禄300石を下賜されました。その後の版籍奉還では319石9斗が定められ、明治9年の金禄公債証書発行により大きな額の公債を受取ることとなりました。

柳原家はこの時期に東京へ移住し、京都の邸も同志社女学校へ転用されました。さらに、前光の妹である愛子は大正天皇の国母となるなど、柳原家の影響を広める事例がありました。しかし、その後の当主義光は多くの騒動に直面し、特に妹の歌人燁子や娘の不良[[華族事件]]により世間から非難されました。柳原家内の困難な状況が尾を引くこととなりました。

歴史の中で柳原家は多くの波乱や栄光を経験し、今日に至るまでその跡を残しています。柳原従光の娘は第126代天皇のお妃候補に挙がるなど、王室との関係をも持つ名家であることが知られています。

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