春山町 (鹿児島市)

春山町（はるやまちょう）

春山町は、鹿児島県鹿児島市の西部に位置する町です。かつては日置郡に属し、上伊集院村、松元町を経て、2004年に鹿児島市に編入されました。市街地へのアクセスの良さからベッドタウンとして開発が進み、人口が増加しています。豊かな自然と歴史が残る一方で、都市化が進む地域でもあります。

地理

春山町は、永田川の上流域に位置し、北部は台地、南部は山地となっています。集落は主に北部の台地に点在し、南部の山地は森林地帯です。標高が高いため、比較的冷涼な気候で、お茶の栽培が盛んです。近年は宅地開発が進み、耕作地は減少傾向にあります。町の中心部から鹿児島市街地や松元町の中心部へは、急な坂道が続いています。

町域内には、東西に鹿児島県道35号永吉入佐鹿児島線、南北に鹿児島県道210号小山田谷山線が通り、春山交差点で交差しています。この交差点は、交通の要所となっています。また、町の北端には鹿児島県道24号鹿児島東市来線、南端には鹿児島県道291号松元川辺線が通っています。

町の南東部には、かつての鹿児島県茶業試験場跡地に都市農村交流センターお茶の里があり、農産物直売所や公園が整備されています。

町内には、桟敷原、上床、平和団地、馬場、寺脇、上伊集院の6つの自治公民館があります。

河川

永田川
森園川（永田川の支流）

歴史

春山の成立

春山という地名は戦国時代から見られ、当時は薩摩国伊集院の一部でした。南北朝時代には、南朝方の別所氏が春山城を築き、拠点としていました。

江戸期の春山

江戸時代には、薩摩藩の伊集院郷に属する春山村となり、上床、桟敷原、馬場、寺脇、森園などの字に分かれていました。当時の村高は、253石余から507石余に増加しました。

幕末には、貧窮した武士たちが開墾のため移住し、開拓に従事しました。また、桟敷原は薩摩藩内有数の軍馬育成地で、年間3000頭以上の馬が藩外へ移出されました。南部には春山狩倉と呼ばれる藩庁直営の山林がありました。

町村制施行以後

1889年の町村制施行により、上谷口村、石谷村、春山村などが合併し、上伊集院村が成立しました。春山村の区域は、上伊集院村の大字「春山」となりました。1960年には、上伊集院村が松元村と改称し、町制を施行して松元町となりました。2004年には、上谷口の一部が春山に編入されました。

2004年11月1日に松元町は鹿児島市に編入され、旧大字春山は廃止され、新たに鹿児島市の町「春山町」として設置されました。

人口の変遷

春山町は、近年人口が増加傾向にあります。特に2004年に鹿児島市に編入された他の町と比較して、人口規模は大きい方です。鹿児島市のベッドタウンとして発展し、今後も人口増加が見込まれています。

施設

公共

鹿児島西警察署松元交番
松元駐在所、犬迫駐在所、松元南駐在所を統合して設置
都市農村交流センターお茶の里
農産物直売所、公園などを併設
春山地域公民館

教育

鹿児島市立春山小学校
たけのこ保育園
はるやま森の保育園

郵便局

鹿児島春山簡易郵便局

寺社

彦山神社

文化財

市指定文化財
森園の田の神
寛保3年(1743年)に建立された、神舞姿の田の神
未指定文化財
岩屋観音像
寛延4年（1751年）創建の、自然洞窟にある不動明王と観音像

小・中学校の学区

（詳細は省略）

交通

鉄道

町内には鉄道駅はありませんが、最寄りの駅は以下の通りです。

JR鹿児島本線上伊集院駅
JR指宿枕崎線慈眼寺駅

道路

高速道路
町内には高速道路は通っていません。南九州自動車道松元ICと指宿スカイライン山田ICが最寄りのICとなります。
県道
鹿児島県道24号鹿児島東市来線
鹿児島県道35号永吉入佐鹿児島線
鹿児島県道210号小山田谷山線
鹿児島県道291号松元川辺線
春山町の区域は、全線隘路のため4t車以上の通行が禁止されています。
広域農道
日置広域農道

バス

路線バス
鹿児島交通
コミュニティバス
鹿児島市コミュニティバス「あいばす」

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」『角川日本地名大辞典』第46巻、角川書店、日本、1983年3月1日。
松元町郷土誌編さん委員会『松元町郷土誌』松元町、1986年3月31日。
松元町企画振興課『松元町閉町記念誌』松元町、2004年。
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年3月27日。
小手川美子、山田天真、廣庭直之「ふるさと新聞 春山町新聞」『南日本新聞』2014年4月15日、18面。

関連項目

春山町 (曖昧さ回避)

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