是永駿

是永駿（これなが しゅん）は、1943年9月23日に福岡県で生まれ、2024年1月27日に80歳で逝去した日本の文学者です。中国文学、特に中国現代文学を専門とし、大阪外国語大学名誉教授、立命館アジア太平洋大学名誉教授を務めました。勲等は瑞宝中綬章を受章しています。

生い立ちと学問への道

是永氏は、新聞記者の父を持ち、文学に親しむ環境で育ちました。特に、父が愛読していた現代文学全集や、魯迅の作品に触れたことがきっかけで中国文学を志すようになりました。大分県立大分舞鶴高等学校を卒業後、大阪外国語大学中国語学科に進学。その後、出版社勤務を経て同大学院に進み、修士課程を修了しました。大学では茅盾を研究し、その後の研究活動の基礎を築きました。2012年には、大阪大学から博士（言語文化学）の学位を取得しています。

教育者としての活動

是永氏は、研究者としてだけでなく、教育者としても多大な貢献をしました。鹿児島経済大学、大分大学を経て、大阪外国語大学で長年教鞭を執り、多くの学生を育成しました。また、大阪外国語大学附属図書館長、大阪外国語大学長を歴任し、大学運営にも携わりました。その後、立命館アジア太平洋大学に移り、教授、学長、学校法人立命館副総長を歴任しました。教育開発・学修支援センター長も務め、教育の質の向上にも尽力しました。

研究内容と業績

是永氏の専門は中国現代文学であり、特に茅盾、中国現代詩の研究に力を注ぎました。著書には、『茅盾小説論―幻想と現実―』などがあり、中国文学の研究において重要な貢献をしました。また、翻訳書や編著も多数あり、『芒克（マンク）詩集』、『北島（ペイ・タオ）詩集』など、中国現代詩を日本に紹介する上で重要な役割を果たしました。

受賞歴

是永氏は、その学術的な功績が評価され、1991年には第29回藤村記念歴程賞を受賞、2019年には瑞宝中綬章を受章しました。これらの受賞は、是永氏の研究活動が社会的に高く評価されていることの証左と言えるでしょう。

その他の活動

是永氏は、立命館アジア太平洋大学孔子学院長も務め、中国文化の普及にも貢献しました。また、多くの論文や研究発表を通じて、学術界に貢献し続けました。

人物像

是永氏は、現役の大学学長でありながら、自ら論文博士を取得するなど、常に学問への探求心を忘れなかった人物でした。その姿勢は、多くの研究者や学生に影響を与えました。

晩年

是永氏は、2024年1月27日に急性心筋梗塞のため、大阪府枚方市の病院で逝去しました。享年80歳。その生涯は、中国文学の研究と教育に捧げられ、多くの人々に深い影響を与えました。

著書一覧

『芒克（マンク）詩集』（訳書） 書肆山田、1990年
『中国現代詩三十人集―モダニズム詩のルネッサンス』（編著） 凱風社、1992年
『現代中国詩集 (海外詩文庫)』（編訳書（共編）） 思潮社、1996年
『台湾現代詩集』（編訳書（共編）） 国書刊行会、2002年
『中国二〇世紀文学を学ぶ人のために』（共著） 世界思想社、2003年
『北島（ペイ・タオ）詩集』（訳書） 土曜美術社、1988年／書肆山田、2009年
『茅盾小説論―幻想と現実―』（単著） 汲古書院、2012年

関連項目

今天
朦朧詩人

外部リンク

立命館アジア太平洋大学

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