暑寒別天売焼尻国定公園

暑寒別天売焼尻国定公園について

暑寒別天売焼尻国定公園は、北海道にある国定公園で、1990年に指定されました。この公園は、暑寒別山系、雄冬地区、送毛・濃昼地区の海岸部、そして日本海に浮かぶ天売島と焼尻島の3つの主要な地域で構成されています。それぞれの地域が独自の自然と景観を誇り、多様な楽しみ方ができるのが魅力です。

地域ごとの特徴

暑寒別・雄冬地区

この地区は、暑寒別岳、南暑寒岳、群別岳などの山々が連なる山岳地帯と、海岸線が織りなす景観が特徴です。特に、雨竜沼湿原はラムサール条約に登録されており、その生態系の豊かさは特筆に値します。夏には登山やハイキング、キャンプを楽しむことができ、雄冬海岸では柱状節理や海食崖といった自然の造形美を堪能できます。

送毛・濃昼地区

石狩市浜益区毘砂別から厚田区安瀬に至る海岸線が中心のこの地区は、急峻な崖が海に迫るダイナミックな景観が魅力です。厚田海岸には「ルーランの洞門」のような奇岩が点在し、柱状節理も見られます。この地域も、日帰りでの観光や通過型の利用が多いです。

天売島・焼尻島地区

天売島は、海鳥の繁殖地として知られ、国の天然記念物や鳥獣保護区に指定されています。ウミネコやウトウなど、多種多様な海鳥が観察できます。一方、焼尻島は4段の堆積段丘から成り、天然林が国の天然記念物に指定されています。ここでは、イチイやミズナラの原生林を見ることができます。

多様な自然

暑寒別山系では、110種以上の高山植物が確認されており、マシケゲンゲやマシケオトギリなど、この地域固有の植物が生息しています。また、コケモモ-ハイマツ群落の中には、道南地方とは隔離分布しているイワナシも見られます。

雨竜沼湿原は、山地型の湿原であり、ペンケペタン川が蛇行しながら中央部を流れています。湿原には100以上の池塘が点在し、浮島が見られることもあります。ここでは、湿原性植物と高山性植物が混ざり合って生息しており、貴重な生態系を観察できます。

天売島は、大部分がササの草原で覆われており、西海岸の海食崖では、ウミネコ、ウミガラス、ケイマフリ、ウトウなどが大規模なコロニーを形成します。焼尻島では、約5万本のイチイやミズナラなどが原生林を形成しており、豊かな自然を感じられます。

また、天売島と焼尻島周辺の海域は、ゴマフアザラシやトドなどの鰭脚類、ミンククジラ、カマイルカ、イシイルカ、シャチなどの鯨類が生息する場所でもあります。過去にはこの地域で捕鯨が行われていたため、大型のヒゲクジラ類の回遊も見られたと考えられています。

アクセスと利用

公園内の各地域へは、車やフェリーなどでアクセスできます。各地域で異なる自然と景観を楽しめるため、訪れる際には計画を立てるのがおすすめです。ハイキング、バードウォッチング、釣りなど、多様なアクティビティを楽しむことができます。

まとめ

暑寒別天売焼尻国定公園は、北海道の豊かな自然を象徴する場所です。山岳、海岸、島嶼といった多様な地形が織りなす景観は、訪れる人々を魅了します。貴重な動植物が生息するこの公園は、自然を愛するすべての人々にとって、特別な場所となるでしょう。

もう一度検索