曹節 (宦官)

曹節について

後漢の宦官、曹節（そうせつ）。彼は南陽郡新野県に生まれ、字は漢豊。彼の生涯は『後漢書』の「宦者列伝」に詳しく記されています。また、彼には弟の曹破石、従子の曹紹がいます。曹節は政治の中心である宦官に加入し、魅力的な権力遊戯を繰り広げました。

生涯のあらまし

曹節の祖先は魏郡から来たとされ、彼は野心的な人間でした。彼は順帝の時代に小黄門の役職に就き、その後桓帝の時代に中常侍と奉車都尉の地位に昇進しました。168年、桓帝が亡くなると、彼は劉宏（後の霊帝）を迎え入れるために兵を率い、彼とともにその輿に乗りました。

169年、外戚の竇武が陳蕃と連携して宦官の権力を排除しようとしていましたが、曹節は宦官朱瑀と共に力を合わせ、王甫を黄門令に任命し、詔勅を偽造して竇武の一派を討伐しました。それにより、彼は長楽衛尉に昇格し、育陽侯と三千戸の爵位を賜りました。

同年、病を得た曹節は、霊帝がその回復を願い、彼に車騎将軍の地位を与えました。病が癒えた後、彼はこの役職を辞し、中常侍に戻ることでさらに昇進しました。この際、特進の名誉を得て、中二千石の地位も与えられました。その後彼は大長秋にもなります。

172年、竇太后が亡くなると、曹節は王甫及び中常侍の侯覧と共に批判の落書きに関与したことで問題に直面しました。彼らは司隷校尉の劉猛に犯人探しを命じましたが、劉猛がその内容に同意したため、捜査は進まず、結局曹節は段熲に任務を与えることとなりました。約千人の学生が逮捕される事態となり、さらに曹節は劉猛を陥れるために別の事件を利用し、彼を追放しました。

曹節はその後も権力を拡大し、桓帝の弟である勃海王劉悝を讒言し自殺に追い込みました。彼の一族は多くが列侯の位を得、権威を持って横暴に振舞うようになりました。179年には王甫が陰謀により逮捕され、その後自害に追い込まれ、段熲も同様の運命を辿ることになりますが、曹節の権力は揺るがず、逆に反対勢力を排除することで自身の地位を確固たるものとしました。彼は晩年には尚書令の役職も任されていましたが、181年に亡くなりました。彼の死後、車騎将軍位が追贈されました。

三国志演義における曹節

文学作品『三国志演義』では曹節は十常侍の一人として取り上げられていますが、彼は184年の黄巾の乱の際にはすでに亡くなっており、実際のところ物語には出てきません。それゆえ、彼の政治的活動や権力闘争の描写は、実際の出来事とは異なる背景の中での空想的なものであると言えるでしょう。

参考文献

• - 『後漢書』「宦者列伝」（中国語版ウィキソース）

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