朝比奈宗利

朝比奈 宗利（あさひな むねとし）

朝比奈宗利は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将です。彼は駿河国を拠点とする武将・朝比奈信置の三男であり、父親と同様に今川氏や武田氏に仕官していました。宗利の生涯は、戦国の tumultuous な時代を色濃く反映しています。

戦国時代から江戸時代への道

天正8年（1580年）、彼は兄の元永と共に、駿河に侵攻してきた徳川家康との戦闘において武功をあげました。その後、天正10年（1582年）には甲州征伐が行われ、彼は持船城に在城していました。この時、父親である信置と長兄の信良が戦いで命を落としましたが、宗利は徳川家康の助けによって危機を免れました。彼はこの時期に家族や家名を守ることができたのです。

その後、朝比奈宗利は羽柴秀吉に仕官しますが、間もなく本能寺の変が発生します。この大きな歴史の転換により、彼は秀吉の許可を得て家康に合流するために急いで堺へ向かいました。しかし、家康がすでに帰国していたため、宗利はそのまま三河に向かい、400石の知行を得て家康の家臣として仕官することになりました。

戦役の連続と家康への忠誠

天正12年（1584年）、彼は小牧・長久手の戦いに参加し、家康の旗本として戦闘に従事しました。この戦いでは、宗利は重要な戦果を挙げることとなります。彼はその後、小田原征伐や関ヶ原の戦い、大坂の陣にも従軍し、その武功を積み重ねていきました。

また、宗利は徳川秀忠の代には世子である家光に仕えることになり、重要な役割を果たしました。寛永10年（1633年）、彼は大番組頭を辞職し、小普請に移ります。同年、蟄居していた富田信高が亡くなった際には、その検使として陸奥岩城へ派遣されることにもなりました。

晩年と家族への継承

朝比奈宗利は、正保4年（1647年）に85歳で生涯を閉じました。彼の家督は、すでに幕府に仕官していた嫡男の良明に引き継がれました。宗利の一生は、彼が直面した歴史の荒波を乗り越え、家名を守り続けた姿を物語っています。

参考文献

• - 名古屋市教育委員会 編『士林泝洄』 2巻、名古屋市教育委員会〈名古屋叢書続編〉、1967年。
• - 『寛政重修諸家譜』 12巻、高柳光寿（監修）、続群書類従完成会、1965年。
• - 黒板勝美 編『德川實記』 第2編、吉川弘文館〈新訂増補 国史大系〉、2007年。

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