本川内駅

本川内駅（ほんかわちえき）

長崎県西彼杵郡長与町本川内郷に所在する、九州旅客鉄道（JR九州）長崎本線の一部である長与支線の駅、本川内駅について解説します。

歴史

本川内駅の歴史は、1943年（昭和18年）10月1日に日本国有鉄道の前身である鉄道省によって本川内信号場として開設されたことに始まります。開設当初の駅名は「ほんがわち」と読まれていました。信号場として機能する一方で、翌年の1944年（昭和19年）には、既に旅客の乗降扱いが行われていた記録が残されています。

信号場から正式な駅へと昇格したのは、1952年（昭和27年）6月1日です。この時に本川内駅となり、現在の「ほんかわち」という読みに変更されました。旅客営業に加えて鉄道小荷物の取扱いも行っていましたが、1974年（昭和49年）3月5日をもって小荷物取扱いは廃止され、これと同時に駅員を配置しない無人駅となりました。

国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からは九州旅客鉄道（JR九州）にその運営が引き継がれています。

本川内駅の特筆すべき歴史的出来事として、かつて存在したスイッチバック構造の解消が挙げられます。2002年（平成14年）3月23日に実施されたダイヤ改正でワンマン運転が導入されるにあたり、急勾配区間に設けられていたスイッチバック駅では、運転士の進行方向転換（エンド交換）が必要となり、列車運行に時間を要することが課題となりました。具体的には、スイッチバックを経由することで、大草駅から長与駅間は約16分45秒かかる見込みでした。これに対し、スイッチバックを解消して本線上にホームを設ける改良工事が行われ、同年3月9日には新しいホームの使用が開始されました。この改良により、同区間の所要時間は約11分15秒に短縮され、約2分の時間短縮効果が得られました。

また、利用者の利便性向上として、2012年（平成24年）12月1日からは、JR九州のICカード乗車券である「SUGOCA」の利用が可能となっています。

駅構造

現在の本川内駅は、線路に沿って設けられた単式ホームが1面と、それに接する1本の線路を持つ地上駅です。

かつては、急勾配区間における列車停車のために、進行方向を変えて停車するスイッチバック式の構造を持っていましたが、2002年の改良工事によって廃止されました。

スイッチバック解消に伴う改良工事では、駅付近に続く20‰（パーミル）の下り勾配本線上で、全長約137メートルにわたり線路を最大約1.37メートル持ち上げ、勾配を10‰に緩和する大規模な工事が行われました。この勾配が緩やかになった区間に、全長112メートルの新しいホームが設置されました。さらに、この10‰勾配区間から長崎方面へは、約273メートルかけて25‰の勾配で元の線路へと接続するよう線形が変更されました。

スイッチバックとして使用されていた分岐器などの主要な設備は、廃止後も一時的に残されていましたが、2018年12月頃から撤去工事が行われ、現在はその痕跡を見ることはできません。

駅には、大草駅寄りに古い木造の駅舎が今も残っています。現在は駅員が配置されない無人駅であり、駅舎内には乗車券を購入するための自動券売機が設置されています。

利用状況

本川内駅の利用状況については、過去には統計が公表されていましたが、例えば2010年度の1日平均乗車人員は75人でした。しかし、2017年度以降の具体的な利用状況については非公表とされています。

駅周辺

駅の周辺には、地域を代表する施設や自然景観が見られます。主なものとして、長与町にある水源地である長与ダムや、長与町立洗切小学校があります。

公共交通機関としては、駅から徒歩およそ1分の場所に長崎バスの本川内停留所が設けられており、長崎新地ターミナル方面や琴の尾登口方面へのバス路線が利用可能です。

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）長崎本線（長与支線）における、本川内駅の隣接駅は以下の通りです。

• - 大草駅
• - 本川内駅
• - 長与駅

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