杉山公平

杉山 公平

杉山公平（すぎやま こうへい、1899年6月23日 - 1960年2月21日）は、日本の映画界において重要な役割を果たした撮影技師です。彼は静岡県浜松市に生まれ、後に東京で学びました。杉山は、映画の初期から多くの作品に携わり、そのキャリアの中でさまざまな監督とのコラボレーションを通じて映画技術の進化に寄与しました。

人物・来歴

杉山は1899年、静岡県浜名郡浜松町にて誕生しました。東京に移り住み、旧制・東京中学校を卒業後、1920年に巣鴨の国際活映にスチルカメラマンとして入社します。1922年には撮影部に転向し、初めての作品である田村宇一郎監督の『噫新高』で撮影技師としてデビューを果たしました。

1923年には関東大震災が発生し、首都の撮影機能が麻痺しましたが、彼は関西に移り、東亜キネマ甲陽撮影所へと新天地を求めます。1924年からは本山裕児監督の『熱血の洗礼』で正式に撮影を開始しました。その後、1925年には帝国キネマ演芸芦屋撮影所に移籍し、岡田時彦や森静子が出演する作品の撮影に関与します。

帝国キネマでの内紛を経て、杉山は再び東亜キネマに移り、悪麗之助監督の作品に関わるようになりました。女形から映画監督に転身した衣笠貞之助に才能を見出され、彼が設立した衣笠映画聯盟での多くの作品、特に『狂つた一頁』から『十字路』に至るまでの21作について撮影を手掛け、終生のパートナーシップを築きました。

映画キャリア

杉山は1928年、衣笠が渡欧後、松竹下加茂撮影所に所属し、小石栄一監督の『剣の血煙』や冬島泰三監督の『鳥辺山心中』の撮影を担当します。1930年には衣笠が映画監督に復帰し、再びコンビを組む機会に恵まれました。

1941年から42年にかけては溝口健二監督の『元禄忠臣蔵 前篇・後篇』での撮影が評価され、その後満州に渡り、満洲映画協会の技師長として活動しました。

第二次世界大戦後、1947年には吉本プロダクション製作の『縁は異なもの』で再び活躍し、1950年頃には大映の京都撮影所に移籍。1951年には『源氏物語』でカンヌ国際映画祭の撮影賞を受賞し、さらには1954年の『地獄門』が日本初のイーストマンカラー作品としてパルム・ドールを受賞するなど、数多くの栄誉に輝きました。

最後の作品は1959年に公開された『鳴門の花嫁』であり、杉山は1960年2月21日に60歳で他界しました。彼の功績は今もなお日本映画界において高く評価されています。

おもなフィルモグラフィ

• - 『噫新高』 (1922年, 監督: 田村宇一郎)
• - 『熱血の洗礼』 (1924年, 監督: 本山裕児)
• - 『幸福』 (1925年, 監督: 志波西果)
• - 『行路』 (1925年, 監督: 古海卓二)
• - 『煙』 (1925年, 監督: 伊藤大輔)
• - 『狂つた一頁』 (1926年, 監督: 衣笠貞之助)
• - 『源氏物語』 (1951年, 監督: 吉村公三郎)
• - 『地獄門』 (1954年, 監督: 衣笠貞之助)

彼の作品はいずれも、日本映画の発展に大きく寄与したものとして、今日でも愛されています。

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