杉隆泰

杉隆泰：鞍掛山城に散った大内家臣

杉隆泰は、戦国時代の武将であり、大内氏の家臣として周防国鞍掛山城を拠点に活躍しました。父は杉貞泰（宗珊）、子に杉鎮頼がいます。

生涯

鞍掛杉氏は、応永6年（1399年）に足利将軍家と大内氏から周防国玖珂郡を拝領した名門でした。杉隆泰は普段、山口に出仕して大内氏の領国統治に携わる一方で、所領である玖珂郡の統治は、影響下にある国人衆に委ねていました。彼の諱である「隆」の字は、主君である大内義隆から一字を賜ったものです。

天文19年（1550年）7月19日には、従五位下に叙任されています。

しかし、天文24年（1555年、弘治元年）の厳島の戦い後、毛利元就が周防国東部へ進出し、玖珂郡への侵攻を開始すると、隆泰はその最前線に立つことになります。当初、隆泰は毛利氏に臣従しましたが、近隣の蓮華山城主である椙杜隆康との関係もあり、毛利氏の攻撃を受けることとなりました。隆泰は居城である鞍掛山城に籠城して防戦に努めましたが、奇襲を受け、ついに鞍掛山城は落城。隆泰は父である宗珊と共に討死しました（鞍掛合戦）。享年31歳。法名は鐵真院殿享安元樹大居士。墓所は鞍掛山城の麓にある祥雲寺にあります。

嫡子の専千代丸は、豊後国の戦国大名・大友義鎮（宗麟、大内義長の実兄）のもとへ逃れました。その後、大友義鎮から一字を拝領して杉鎮頼と名乗り、天正6年（1578年）の耳川の戦いで戦死するまで、大友氏の家臣として仕えました。

系譜

父：杉興頼
母：不詳
妻：不詳
男子：杉鎮頼 - 大友義鎮（宗麟）に仕えるが、天正6年（1578年）耳川の戦いで戦死

脚注

注釈

特になし

関連項目

杉氏
防長経略

もう一度検索