李峘

李峘（り かん）について

李峘は、唐の宗室である趙国公で、その生涯は政治や軍事において多様な経験を持っています。彼は呉王李恪の曾孫であり、歴史的にも特異な背景を抱えています。祖父の李恪の三男である李琨から、李峘の父である李禕が誕生し、その後李峘とその兄弟たちが生まれました。

生涯の初期と昇進

李峘は天宝年間に南宮郎に任じられ、数年にわたり様々な職に就きました。その後、父の死に服し哀悼の意を表していた彼は、喪が明けると郡王子の例に従い趙国公に封じられます。この時期は、唐の政権が揺らぎ始める前夜であり、李峘の政治的キャリアが本格化していく重要な時期でした。

特に、杨国忠の台頭によって多くの郎官が食に出される中、李峘は睢陽郡太守として任命されます。長安に戻ったのは天宝14年（755年）のことで、そこで彼はその名声を高めていきました。

安禄山の反乱とその後

天宝15年（756年）、安禄山の反乱が起こり、玄宗が危機にさらされます。この際、李峘は行在にて兵部侍郎に任じられ、御史大夫を兼任し、翌年からは蜀郡太守や剣南採訪使に任命されます。反乱の鎮圧においては、自ら指揮をとり、反乱軍を打破する功績を残しました。これにより、金紫光禄大夫の位を賜ります。

更なる高官への道

その後、李峘は長安に帰り、戸部尚書に就任します。乾元元年（758年）には御史大夫を兼任し、数々の節度使や観察劉の職にも就きます。しかし彼の政治的な道は平坦ではありませんでした。乾元2年（759年）、劉展が河南で異心を抱くと、李峘は密詔を受けて彼を討伐すべく動きました。

しかし、劉展の軍の前に苦戦し、寿州にて敗北。その後、彼は長江を渡り潤州での防衛に専念することとなります。この戦いで振るわれた彼の指導力や戦略は評価される一方、敗北は彼の政治家としての評判に影を落とすこととなります。最終的には罪に問われ、袁州司馬への左遷を余儀なくされました。

最期と影響

李峘は宝応2年（763年）に袁州で病に倒れ、帰らぬ人となります。その際、揚州大都督の位が追贈され、彼の軍事的な貢献が評価されました。彼の生涯は、混乱の時代における一人の官僚の挑戦と挫折を象徴しており、歴史の中で重要な意義を持っています。

参考文献

• - 『旧唐書』巻112 列伝第62
• - 『新唐書』巻80 列伝第5
• - 中華書局出版『旧唐書』、1975年。ISBN 7-101-00319-2。
• - 中華書局出版『新唐書』、1975年。ISBN 7-101-00320-6。

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