李昌薫

李昌薫について

李昌薫（イ・チャンフン、이창훈、1890年9月11日 - 1947年4月15日）は、日本の統治時代における朝鮮の貴族であり、字は元善（원선）、号は小悳（소덕）です。彼の本貫（本籍地）は全州（全州李氏）で、京畿道水原郡水原邑に籍を置いていました。また、彼は大韓帝国の軍部大臣として、第二次日韓協約（乙巳条約）の締結に賛成した重要な人物であり、乙巳五賊の一員とされる李根沢の長男です。

1907年12月16日、李昌薫は奎章閣直閣に任命され、当時は主任官4等、6品に叙位されました。後に、1914年6月10日には大日本帝国政府から李根沢の嗣子として従五位になり、1915年11月10日には大正大礼記念章を授与されました。このように、彼の一族は日本統治時代に繁栄し、伯父の李根澔や叔父の李根湘も朝鮮貴族の子爵として名を馳せました。

1920年代には大陸ゴム工業株式会社に理事として勤務し、1928年には昭和天皇の即位式に朝鮮貴族総代代表として参加しました。この年の11月には、日本政府から昭和大礼記念章を受け、正四位に叙されました。さらには、朝鮮神宮開かれた例祭や祝典にも積極的に出席し、国民精神総動員朝鮮連盟や朝鮮儒道連合会の評議員としても活動しました。

李昌薫は1930年代にかけても様々な事業や活動を行っており、野松農商に勤める一方、東洋工作株式会社の監査役も務めました。国民総力朝鮮連盟や朝鮮貴族会でも役割を果たし、多くの日本政府からの叙位を受けました。1939年には紀元2600年の祝典に参加し、記念章を受けたことでその社会的な地位をさらに強化しました。

1940年代には、先祖代々の名声を持つ李昌薫に関わる調査が反民族行為処罰法の下で行われましたが、亡くなった1947年にはこれに対する調査が行われ、既に彼は故人となっていたため、家族への影響は限定的でした。彼の家族は、公州大学校で教授として活動するなど、教育界にも進出しています。李昌薫の影響力は、その後の世代にまで及ぶこととなりました。

しかし、彼の名が歴史に残る一方で、2002年には親日派708人名簿に、2008年には民族問題研究所によってまとめられた『親日人名辞典』の収録予定者名簿に、そして2009年には親日反民族行為真相糾明委員会によって発表された反民族行為705人名簿にも彼の名が挙げられる結果となりました。これは李昌薫が払った犠牲と彼自身の行動が評価される中で、朝鮮の歴史にいかに複雑に関与していたかを示しています。

彼の家族関係をみると、李昌薫には多くの親族が貴族としての地位を共有していました。祖父の李敏承や父の李根沢をはじめ、伯父や叔父、従兄弟たちも同じように名を馳せており、李昌薫一族は日本統治下での朝鮮において特異な地位を保っていました。

もう一度検索