村井英司

1950年 1月9日、北海道札幌市に生まれた村井英司は、プロ野球界で捕手、外野手としてプレーし、後に指導者としても活躍しました。

アマチュア時代

札幌市立南小学校、札幌市立柏中学校を経て、1965年に北海高校へ進学。高校時代は主将兼外野手としてチームを牽引しました。3年生だった1967年には、夏の甲子園南北海道予選の決勝で苫小牧東高校を破り、甲子園出場を決めます。しかし、村井自身は予選中に負った骨折のため、本大会のマウンドに立つことは叶いませんでした。同年のドラフト会議で南海ホークスから15位指名を受けましたが、プロ入りを固辞。高校卒業後の1968年、電電北海道に入社します。社会人野球では捕手としてプレーし、1971年から3年連続で都市対抗野球大会に出場。ヤクルトスワローズで活躍した若松勉氏とは、北海高校、電電北海道を通じてチームメイトでした。

プロ野球選手として

1973年のドラフト会議で、日本ハムファイターズから4位指名を受け入団。背番号は「33」でした。
プロ1年目の1974年、正捕手の加藤俊夫選手の不調や、ベテラン岡村浩二選手の腰痛による戦線離脱といった状況の中で出場機会を掴み、一軍の正捕手としての地位を確立しました。2年目の1975年は、再び加藤選手や高橋博士選手の控えに回る場面が多くなりましたが、3年目の1976年からは外野手や指名打者としても起用されるようになり、長きにわたってチームに貢献します。特に左投手に強く、「左キラー」として知られました。印象的な一打としては、1977年8月16日に大阪スタヂアムで行われた南海ホークス戦で、永淵洋三選手の代打として登場し、江夏豊投手から逆転満塁ホームランを放ったことが挙げられます。
1978年には開幕戦から右翼手として起用され、25試合に先発出場。この年自己最多となる9本塁打を記録しました。1981年には主に左翼手、6番打者として43試合に先発し、打率.305という好成績を残しています。同年の読売ジャイアンツとの日本シリーズでは代打として出場し、4打数2安打と勝負強さを見せました。しかし、1983年には出場機会が減少し、この年限りで現役を引退しました。

プロ入り後の初記録は以下の通りです。

- 初出場：1974年4月10日、対阪急ブレーブス戦（藤崎台県営野球場）に代打で出場。
- 初先発出場：1974年6月14日、対南海ホークス戦（大阪スタヂアム）に8番・捕手として先発。
- 初安打・初打点：1974年6月16日、対南海ホークス戦（大阪スタヂアム）で野崎恒男投手から2点適時二塁打。
- 初本塁打：1974年7月26日、対阪急ブレーブス戦（阪急西宮球場）で水谷孝投手からソロ本塁打。

引退後の活動

現役引退後も日本ハムファイターズに残り、指導者としての道を歩み始めました。1984年から1994年にかけて、背番号「76」を背負い、二軍バッテリーコーチ補佐、二軍打撃兼守備コーチ、二軍打撃・外野守備コーチ、一軍外野守備コーチ、一軍外野守備コーチ兼打撃コーチ補佐、二軍打撃コーチなど、様々な役職を歴任しました。二軍コーチ時代には、当時入団1年目だった田中幸雄選手に対し、打撃フォームの指導よりも、体力強化のためひたすらバットを振り込む練習を課すなど、選手の育成に情熱を注ぎました。
1994年に日本ハムを退団した後は、郷里である北海道に戻り、NTTドコモエンジニア北海道に勤務。仕事の傍ら、少年野球の指導に携わります。1996年7月には、苫小牧市営緑ヶ丘野球場で行われた「社会人・プロ野球交歓試合」に際し、北海道選抜の選手たちへの指導を行いました。この試合は、社会人とプロの交流試合として、道内では1942年以来54年ぶり、全国でも1946年以来50年ぶりであり、日本野球連盟設立以来初めての試みという歴史的な意義を持つものでした。試合では北海道選抜が、来道した横浜ベイスターズ二軍と読売ジャイアンツ二軍を相手に連勝を飾っています。
現在は、札幌市手稲区のバッティングセンター「西宮の沢バッティングパークピッチャーガエシ」にて、マンツーマンでの打撃指導や守備特訓講座を行い、野球の楽しさや技術を伝える活動を続けています。

また、札幌テレビ放送の番組「1×8いこうよ！」の企画「1×8シニア野球団」に、MCの大泉洋氏の打撃コーチとして出演した経験もあります。

村井英司は、選手として印象的な打撃を見せ、引退後はコーチや指導者として、長年にわたり北海道の野球振興に貢献し続けています。

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