東京ドームホテル

東京都文京区後楽に位置する「東京ドームホテル」は、株式会社東京ドームホテルが運営する大規模シティホテルです。

このホテルの建設は、かつて後楽園球場があった東京ドームの社有地における再開発プロジェクトの一環として計画され、1997年（平成9年）に着工しました。そして2000年（平成12年）6月1日に営業を開始し、東京ドーム、ラクーアなどとともに、一大アミューズメントリゾートである「東京ドームシティ」構想の完成を象徴する施設となりました。

建物は地上43階建て、高さ155メートルを誇ります。客室数は、ホテルの名称にも含まれる「ドーム」の語呂合わせにちなんで設定された1006室を有しています。建築設計は、日本を代表する世界的建築家である丹下健三氏が手がけ、彼の晩年における主要な大型作品の一つとして知られています。

館内には、宿泊客が利用する9階から41階に位置する客室のほか、多様なニーズに応える充実した施設が設けられています。10箇所に及ぶバラエティ豊かなレストラン＆バー、そして大小合わせて18もの宴会場は、様々なイベントや会合に対応可能です。また、夏季には屋外ガーデンプールが開放されるほか、エステティックサロンやビジネスセンターといった付帯施設も完備されています。

客室からは、南側に広がる皇居の森を望む「パレスビュー」と、北側に東京ドームや東京ドームシティ全体を見下ろす「パークビュー」があり、それぞれ異なる魅力的な眺望を楽しむことができます。館内の多くの施設空間においては、東京ドームで開催されるエンターテイメントや、隣接する遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」などをイメージした、趣向を凝らした内装デザインが施されており、リゾート感や非日常感を演出しています。

東京ドームや商業施設のラクーアと並び、東京ドームシティの中核施設としての重要な役割を担う本ホテルは、特に東京ドームや後楽園ホールなどで開催されるイベント時の宿泊需要を強く意識して設計されています。そのため、後楽園・水道橋エリアにおいては最大級の収容能力と施設規模を誇り、多くの来訪者を受け入れる拠点となっています。

運営会社である株式会社東京ドームホテルは、親会社である株式会社東京ドーム（旧社名：後楽園スタヂアム）が古くから手がけてきたホテル事業の流れを汲んでいます。かつては熱海や札幌に加え、城島高原や舞子でもリゾート事業を展開していましたが、現在は当ホテルと熱海後楽園ホテルの2施設で「東京ドームホテルズ」チェーンを形成し、運営を行っています。

館内設備としては、施設関係者以外は立ち入りができない8階のトラス階や、東側に配置されたシースルータイプの客室用エレベーター（8基）、中央に設けられた宴会場用エレベーター（2基）など、建物の構造や機能に基づいた特徴的な設備が見られます。宿泊客や来館者の利便性を高めるため、1階にはセブン銀行ATMや、米ドル、ユーロ、中国元など主要通貨に対応した外貨両替機（外貨から日本円への両替のみ）も設置されており、24時間利用可能なサービスも提供されています。

交通アクセスは非常に良好で、最寄りの鉄道駅からは徒歩圏内です。JR中央・総武緩行線および都営地下鉄三田線の水道橋駅からは徒歩約1～2分、東京メトロ丸ノ内線・南北線の後楽園駅からも徒歩約5分でアクセス可能です。また、都営バスや文京区コミュニティバス「Bーぐる」のほか、成田国際空港・東京国際空港からのリムジンバス、群馬県や岩手県、山梨県方面からの高速バス路線も乗り入れており、広範囲からのアクセス拠点としても機能しています。

もう一度検索