東京都立墨田川高等学校

東京都立墨田川高等学校

東京都立墨田川高等学校は、東京都墨田区東向島に位置する都立高校です。地元では「墨高（すみこう）」、または旧称から「七高（ななこう）」の愛称で親しまれています。

概要

前身は府立第七中学校。都立高校再編により進学重視型単位制高校へと移行し、現在は進学指導推進校として、学力向上に力を入れています。自校作成問題の導入、土曜授業の実施、特進クラスの設置、予備校の衛星講座の開設、勉強合宿など、様々な取り組みが行われています。単位制高校の特色を活かし、生徒の興味や進路に合わせた多様な選択科目が用意されているのも特徴です。2006年度からは標準服が制服として採用されました。

学校行事や部活動で使用される軽井沢の「七生寮」と館山の「楽水寮」は、一般財団法人七星会によって管理・運営されています。体育祭では、クラス対抗ではなく、「族」と呼ばれる1年生から引き継がれるメンバー構成で、3年間同じ「族」として競い合うユニークな伝統があります。この「族」制度は、戦後の男女共学化の際に自然発生的に生まれたものです。

かつては、第二次ベビーブーム対策として、墨田区堤通に「墨田川高校堤校舎」が存在しましたが、2000年の本校の進学重視型単位制高校への改組に伴い、本校と統合され閉校となりました。

沿革

創立

大正時代、東京の人口増加に伴い中学校の増設が計画される中、地元選出の府議会議員らの誘致活動が実を結び、南葛飾郡寺島町に設立されることが決定しました。府立第六中学校（現：新宿高校）と同時に開校しました。
初代校長には、砂崎徳三が就任。教育方針の策定、軽井沢や沼津への校外施設の設置、校歌の制定、図書館の設置などに尽力しました。当時は学区制がなく、隅田川以西の地域や千葉県、埼玉県からの越境入学も多く見られました。

特徴

旧制高校や陸海軍の学校への進学者を輩出する一方で、中学校卒業後に社会に出る生徒も少なくなく、地域に根ざした教育が行われていました。向島の地にあったことから、幸田露伴が作詞した校歌に代表されるように、自由で文化的な校風が育まれました。

年表

1921年 - 東京府立第七中学校として創立
1922年 - 府立第一高女（現：白鷗高校・附属中学校）内にて開校
1923年 - 現在地に校舎が完成
1924年 - 定時制課程が開校
1925年 - 校歌制定
1940年 - 府立第十七中学校（現：日本橋高校・葛飾野高校）を併置
1943年 - 東京都立第七中学校と改称
1944年 - 併置の葛飾中を分離
1948年 - 東京都立第七新制高等学校となる
1950年 - 東京都立墨田川高等学校と改称
1952年 - 学区合同選抜制度導入
1967年 - 学校群制度が施行
1982年 - グループ合同選抜制度
1986年 - 墨田川高校堤校舎を設置
2000年 - 進学重視型単位制へ移行
2003年 - スーパーイングリッシュランゲージハイスクールの指定。堤校舎が閉校
2004年 - 自校作成問題の導入
2007年 - 進学指導推進校に指定
2009年 - 定時制閉課。都の重点支援校に指定

象徴

校章

墨堤の桜をモチーフにした桜の花弁に「七高」の文字がデザインされています。校名変更後も、この校章は変わらず使用されています。

校歌

幸田露伴作詞、弘田龍太郎作曲による格式高い校歌です。「隅田の川は吾が師なり」という歌い出しで始まり、1925年に制定されました。歌詞は一度も変更されることなく、歌い継がれています。

部活動

音楽部、吹奏楽部、水泳部、ボート部などが活発に活動しています。吹奏楽部は、全国大会で優秀な成績を収めています。水泳部も強豪として知られ、インターハイ出場の実績があります。

交通

京成押上線 京成曳舟駅 徒歩9分
東武伊勢崎線・東武亀戸線 曳舟駅 徒歩8分
東武伊勢崎線 東向島駅 徒歩7分

東京スカイツリーや向島百花園が近隣にあります。

その他

寺島図書館

かつて学校に隣接していた寺島図書館は、七中の図書館建設計画が発端となり、地域との共同事業として設立されました。その後、変遷を経て墨田区立ひきふね図書館として発展的に統合されました。

墨田川高校堤校舎

第二次ベビーブームによる高校受験者数の増加に対応するため、一時的に設置された分校でした。2003年に本校と統合され、閉校となりました。

著名な出身者

宮部みゆき（作家）、半藤一利（作家）、坂崎幸之助（ミュージシャン、THE ALFEE|THE_ALFEE）、小川宏（アナウンサー）など、各界で活躍する人材を輩出しています。

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