東城王

東城王（とうじょうおう）

東城王は、百済の第24代の王として479年から501年まで在位しました。生年については不明ですが、彼は文周王の弟である昆支の子と言われています。様々な文献で異なる記録が存在し、その真偽については scholarly debate が続いています。

即位までの経緯

『三国史記』によると、東城王は三斤王の死去に伴って王位に就きました。特に『日本書紀』では、百済の王位を継ぐための背景が詳しく記されており、当時日本で人質として生活していた昆支王の子供のうち、聡明だった末多王が王位を継承したという記録があります。若干幼少であったため、当時の日本帝国から派遣された500人の軍士に護衛されての帰国となったということも、彼の即位を特異なものにしています。

治世の特色

王位に就くとすぐに、反乱を起こした解仇に対処し、真老を昇進させるなど、迅速に権力を強化しました。彼は首都熊津の地方勢力である燕氏や沙氏を背景に、政治改革を試みました。さらに、高句麗の長寿王が両朝に朝貢して爵号を得たことを受けて、百済も南朝斉に朝貢し、冊封体制に入ることを模索しました。

新羅との同盟を強化するために使者を派遣し、493年には通婚を含む交渉を行い、新羅から官位の娘を嫁に迎えます。このように外交戦略を積極的に進めつつ、494年には高句麗への救援を行い、495年にも高句麗侵攻に対して新羅からの援助を受け、これに対抗しました。501年には新羅に対しても警戒を強め、城柵を築くなどの防衛策を講じました。

晩年の変化

治世の初期には国力を回復する方向に努力を傾けていましたが、晩年になるにつれ、その政策は独善的になり、民衆からの信任を失っていきます。499年に発生した大旱魃には、王は国倉を開けずに済ませ、民衆の不満を招きました。500年には豪華な宮殿を作り、宴会を開くなどの享楽にふける姿が目立ち、国民の苦しみを顧みない王として評価されるようになります。このような変化は、彼の運命に大きな影を落としました。

最期

501年11月、暗君と化した結果として、衛士佐平の刺客によって命を落としました。彼の死後、初めて「東城王」という諡号が授けられました。これは、一つの時代が終焉を迎えた象徴とも言えるでしょう。

王妃の出自

朝鮮古代史の研究者たちは、東城王の王妃が倭人であり、彼自身が倭国王家とも関係を持っていた可能性を指摘しています。この結婚政策は、古代の政治的背景とも密接に関連していたとされています。

メディアでの表現

彼の生涯は、2013年から2014年に放送された韓国のテレビドラマ『帝王の娘 スベクヒャン』にも描かれ、多くの視聴者の注目を集めました。

参考文献

• - 金富軾著、井上秀雄訳『三国史記』第2巻
• - 一然著、坪井九馬三・日下寛訳『三国遺事』
• - 伴信友・岸田吟香訳『日本書紀』
• - 沈仁安著、藤田友治・藤田美代子・古田武彦訳『中国からみた日本の古代 新しい古代史像を探る』

以上のように、東城王の治世は、その政策や人間性、晩年の変化を通じて、百済の歴史において興味深い位置を占めています。

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