東声問駅

東声問駅

東声問駅（ひがしこえといえき）は、かつて北海道（宗谷支庁）稚内市大字声問村に存在した、北海道旅客鉄道（JR北海道）天北線の臨時駅です。この駅の最大の特徴は、その営業期間が極めて短かったことにあり、1987年（昭和62年）6月1日の一日限りでその役目を終えました。

歴史

この東声問駅は、特定の目的のために短期間のみ設置された臨時駅でした。設置された背景には、稚内空港のジェット化に伴う新滑走路および空港ターミナルビルの完成を記念して行われた大規模な行事がありました。この記念行事に参加する稚内市内の小中学校の児童・生徒を、稚内駅から会場近くまで輸送するための臨時列車が運行されることになり、その乗降場所として天北線の恵北駅と声問駅の間に当駅が設けられたのです。したがって、一般の旅客がこの駅を利用して乗降することはできませんでした。

駅の構造は仮設の乗降場であり、特筆すべきはその乗降方法でした。後の時代に留萌本線に設置された浜中海水浴場駅などと同様の形式が採用されており、列車が稚内空港至近の本線上に停車すると、車両の出入口にタラップを取り付けて乗降を取り扱うという珍しい方式が取られていました。これは、恒久的な駅舎やプラットホームを設ける必要のない臨時駅ならではの簡便な方法でした。

駅が設置されたのは、稚内空港のすぐ近く、恵北駅と声問駅の間にある線路本線上でした。わずか一日のみの営業でしたが、特定のイベントのために設けられた鉄道施設として、日本の鉄道史においても珍しい事例の一つと言えます。

年表

1987年（昭和62年）6月1日：北海道旅客鉄道天北線の臨時駅として開設されました。
1987年（昭和62年）6月2日：営業を終了し、廃止されました。

駅名の由来

駅名は、近隣に存在した声問駅の東に位置していたことから命名されました。

駅周辺

東声問駅が設けられた場所の周辺には、以下の施設や道路があります。

北海道道121号稚内幌延線
稚内空港

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）天北線

恵北駅 - （臨）東声問駅 - 声問駅

参考文献

今尾恵介監修 新潮社編 『日本鉄道旅行地図帳第1号「北海道」』 新潮社, 2008年, p.47. ISBN 978-4-10-790019-7
『日刊宗谷』 1987年（昭和62年）6月2日号3面

関連項目

日本の鉄道駅一覧
特定地方交通線
* 空港連絡鉄道

この東声問駅は、日本の鉄道駅の中でも極めて短期間のみ営業した特殊な事例として知られています。特定のイベントのためだけに設置され、一般の利用が許されなかった点も、通常の駅とは異なる特徴です。天北線自体は2006年に廃止されましたが、この一日限りの駅は今も鉄道愛好家の間で語り継がれる存在です。

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