東日本大震災復興構想会議

東日本大震災復興構想会議とは

東日本大震災復興構想会議は、未曽有の被害をもたらした東日本大震災からの復興に関する基本方針を策定するために、内閣総理大臣の諮問機関として設置された政策会議です。

設立の背景と目的

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらしました。この未曾有の災害からの復興に向けて、単なる原状復旧ではなく、将来を見据えた創造的な復興を目指すため、様々な分野の専門家が集まり、この会議が組織されました。

会議の構成

会議は、学識経験者、地方自治体の代表、経済界の代表など、多岐にわたる分野の有識者によって構成されていました。五百籏頭眞氏が議長を務め、安藤忠雄氏と御厨貴氏が議長代理として会議を支えました。また、梅原猛氏が特別顧問（名誉議長）として参画しました。その他にも、各分野の専門家が委員として参加し、復興に向けた議論を深めました。さらに、具体的な検討を行うため、飯尾潤氏を部会長とする検討部会も設けられました。

主な活動内容

会議では、震災からの復興に関する重要事項について、多角的な視点から調査審議が行われました。具体的には、復興のための財源確保策として「震災国債」や「復興連帯税」などの構想が議論されました。また、復興に向けた施策の実施状況を調査し、必要に応じて内閣総理大臣に意見を述べるなど、復興の推進に向けた様々な活動を行いました。

法的根拠と権限

東日本大震災復興構想会議は、2011年6月24日に公布・施行された東日本大震災復興基本法に基づいて設置されました。同法18条以下に、会議の設置根拠や権限などが定められています。

原子力発電所事故への対応

福島第一原子力発電所の事故による災害を受けた地域については、復旧の状況を踏まえつつ、特別な調査審議を行うための合議制機関を設置することができました。この機関による調査審議は、東日本大震災復興構想会議の結果を踏まえて行われることとされました。

会議の廃止とその後

2012年2月10日、復興庁の設置に伴い、東日本大震災復興構想会議は廃止されました。その後、復興事業の推進を監視する新たな有識者会議として復興推進委員会が復興庁に設置され、五百籏頭眞氏が委員長に、御厨貴氏が委員長代理に就任し、復興構想会議の役割の一部を引き継ぎました。

関係者

議長: 五百籏頭眞（前防衛大学校長、神戸大学名誉教授）
議長代理: 安藤忠雄（建築家、東京大学名誉教授）、御厨貴（東京大学教授）
特別顧問（名誉議長）: 梅原猛（哲学者）

委員

赤坂憲雄（学習院大学教授、福島県立博物館館長）
内館牧子（脚本家）
大西隆（東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授）
河田恵昭（関西大学社会安全学部学部長・教授、阪神・淡路大震災記念　人と防災未来センター長）
玄侑宗久（臨済宗福聚寺住職、作家）
佐藤雄平（福島県知事）
清家篤（慶應義塾塾長）
高成田享（仙台大学教授）
達増拓也（岩手県知事）
中鉢良治（ソニー株式会社代表執行役副会長）
橋本五郎（読売新聞特別編集委員）
村井嘉浩（宮城県知事）

検討部会

部会長: 飯尾潤（政策研究大学院大学教授）
部会長代理: 森民夫（全国市長会会長、長岡市長）

専門委員

五十嵐敬喜（法政大学法学部教授）
池田昌弘（東北関東大震災・共同支援ネットワーク事務局長、特定非営利活動法人全国コミュニティライフサポートセンター理事長）
今村文彦（東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター教授）
植田和弘（京都大学大学院経済学研究科教授）
大武健一郎（大塚ホールディングス株式会社代表取締役副会長）
玄田有史（東京大学社会科学研究所教授）
河野龍太郎（BNPパリバ証券経済調査本部長・チーフエコノミスト）
西郷真理子（都市計画家）
佐々木経世（イーソリューションズ株式会社代表取締役社長）
荘林幹太郎（学習院女子大学教授）
白波瀬佐和子（東京大学大学院人文社会系研究科教授）
神成淳司（慶応義塾大学環境情報学部准教授）
竹村真一（京都造形芸術大学教授）
團野久茂（日本労働組合総連合会副事務局長）
馬場治（東京海洋大学海洋科学部教授）
広田純一（岩手大学農学部共生環境課程学系教授）
藻谷浩介（株式会社日本政策投資銀行地域振興グループ参事役）

まとめ

東日本大震災復興構想会議は、震災からの復興に向けて、多くの有識者が集まり、創造的な復興を目指して活動した重要な政策会議でした。その活動は、後の復興政策に大きな影響を与えました。

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