東漢草足嶋

東漢草 足嶋（やまとのあや の かや の たりしま）

東漢草 足嶋は、飛鳥時代に存在した貴族で、姓は直であったとされる。しかし、詳細な位階については不明であり、その存在は文献においてさまざまな形で記録されている。

蚊屋（草）氏について

足嶋に関する記録の一つとして、蚊屋氏の存在が挙げられる。蚊屋は東漢氏の同族であり、近江国愛知郡蚊野郷（現在の滋賀県愛知郡愛荘町上蚊野・北蚊野）の地名に由来する。これは、地域の貴族層や氏族の関係における重要な要素を示している。

欠落した経歴

『書紀』の巻第二十六に引かれた『伊吉博徳書』によれば、足嶋は斉明天皇7年（661年）に帰国の途についていた遣唐副使の一団に参加していた。この一行は、津守吉祥を先頭に、耽羅島に漂着し、王子阿波伎を含む9人を朝廷に献上したとされる。

この記録から、足嶋は韓智興の同行者であったが、一行の悪口を言いふらし、唐の朝廷に対する悪印象を招いた結果、祟りを受けたという説がある。しかし、別の記録では、斉明天皇5年の記事に韓智興が唐の政府から遠流に処されたことが示されており、これが足嶋の記録とどのように関連するのか解釈が分かれるところである。

様々な解釈

過去の記録を再考すると、足嶋が唐に対して不適切な発言をした結果、彼自身もその悪影響を被ったのかもしれない。一方で、これらの記録は曖昧さを帯びており、記載ミスの可能性や、同時に二人の人物が讒言を行ったのではないかという推測も成り立つ。

運命の終焉

一つ確かなことは、足嶋が日本への帰途に落雷に遭遇して死去した、ということのみである。これは、彼の人生や行動がどれほどの影響を及ぼしたにせよ、最終的には自然の力により幕を下ろされたことを示している。

参考文献

• - 『日本書紀』（四）岩波文庫、1995年
• - 『日本書紀』全現代語訳（下）、講談社学術文庫、宇治谷孟：訳、1988年
• - 『日本古代氏族事典』【新装版】佐伯有清：編、雄山閣、2015年

関連項目

• - 遣唐使
• - 白村江の戦い
• - 伊吉博徳

このように、足嶋に関する記録は歴史の中で数多くの謎を生んでおり、彼の行動やそれに伴う影響がどのようなものであったのかを考えることは、飛鳥時代の歴史を理解する上で重要である。

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