松岡政保

松岡政保：琉球政府の行政主席、沖縄電力の初代社長

松岡政保（まつおか せいほ、1897年9月18日 - 1989年4月7日）は、琉球政府の政治家、そして実業家として知られています。沖縄県国頭郡金武町の出身で、1964年から1968年まで琉球政府の行政主席を務めました。また、松岡建設と松岡配電（後の沖縄電力）の創業者であり、沖縄電力の初代社長も歴任しました。

生い立ちとアメリカ留学

1897年（明治30年）に生まれた松岡は、1912年（明治45年/大正元年）にアメリカへ渡り、1924年（大正13年）にはインディアナ州のトライステート工科大学を卒業しました。帰国後の1927年（昭和2年）には、沖縄県に戻り、1931年（昭和6年）には宜野座から松岡へと改姓しました。この「松岡」という苗字は、生家の裏山に茂る松林からヒントを得たと言われています。

実業家としての活躍

1936年（昭和11年）には沖縄製糖に入社し、技師や工場長として手腕を発揮しました。第二次世界大戦後、沖縄諮詢会や沖縄民政府の工務部長を歴任しましたが、1950年（昭和25年）の沖縄群島知事選挙では落選を経験しました。その後、松岡建設と松岡配電を創業し、実業界での地位を確立し、政財界に広い人脈を築いていきました。

行政主席としての業績

1964年（昭和39年）、前任の大田政作主席から引き継がれた政局の混乱を収拾するため、第4代行政主席に就任しました。在任期間中（1968年まで）には、保守政党の合同を実現させ、政治の安定化に貢献しました。また、ワトソン高等弁務官との交渉を通じて、行政主席公選制の実現など、琉球政府の自治権拡大に尽力しました。歴代の行政主席の中で、唯一アメリカ留学経験を持つ人物であったため、アメリカとの交渉において卓越した手腕を発揮しました。

沖縄電力の初代社長

沖縄返還後の1972年（昭和47年）には、沖縄電力の初代社長に就任しました。沖縄の電力事業の発展に貢献し、その基盤を築き上げました。

その他

趣味は三線作りで、自宅には自作の三線が数多く飾られていたそうです。

松岡政保は、琉球政府の政治家として、また実業家として、沖縄の発展に大きく貢献した人物として記憶されています。

関連事項

インディアナ州
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