松崎港

松崎港（まつざきこう）

松崎港は、静岡県賀茂郡松崎町にある地方港湾で、静岡県下田土木事務所によって管理されています。この港は、北側に水深6.0メートル、延長130メートルの新港岸壁、南側には水深3.0メートル・延長35メートルの松崎桟橋を持ち、那賀川と岩科川が駿河湾近くで合流する地点に位置しています。そのため、当港は河口に設けられた重要な水上交通の拠点として利用されています。

港の機能と利用状況

2015年度には、924隻、総トン数24,208トンの船が寄港し、そのうち外航商船は3隻で、総トン数は9,160トンでした。松崎港は、近隣の漁業活動や観光客の輸送を支える重要な役割を果たしています。特に、当港は近海漁業や観光の観点から、訪れる人々にとって利便性の高い場所となっています。

歴史的背景

松崎港の歴史は古く、伊豆半島西海岸の独特な地理的環境によって海運が発展したことが背景にあります。中世には、伊豆水軍の渡辺氏の船溜として利用され、その後も江戸時代にはカツオや鰹節、イグサ、そして年貢米が上方や江戸に出荷されていました。天保12年（1841年）の史料によると、300石積み以上の廻船が松崎港と江戸、上方を定期的に往復していたことがわかります。

1882年には、沼津港との定期航路が開設され、さらに清水港とも結ばれるようになりました。これにより、近海漁業はもちろん、波勝崎などの観光地へのアクセスにも寄与するようになりました。1952年には地方港湾として正式に指定され、1962年には導流堤と無人灯台が設置され、港の機能向上が図られました。

交通の変遷

1960年代には自家用車の普及が進み、この港の交通が相対的に減少することとなります。しかし、1974年には伊豆箱根鉄道の西伊豆航路の運航が開始され、沼津港へのアクセスが便利になりました。この航路は土肥港や堂ヶ島を経由し、最短1時間20分での移動が可能となりましたが、2003年には運航が終了しました。

2000年には、沼津港とともに特定地域振興重要港湾に指定され、静岡県の「駿河湾港アクションプラン」において、清水港や土肥港、大井川港との間に新たな旅客船の航路を設けることが検討されています。これにより、松崎港の経済的な活性化が期待されています。

まとめ

松崎港は、歴史的な背景とともに現在も地域に密着した重要な港湾として機能しています。海運や観光、そして地域の発展を支える役割を果たし続けており、今後の発展が期待されます。

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