松平頼儀

松平頼儀（まつだいら よりのり）は、江戸時代中期から後期にかけての大名であり、讃岐高松藩の第8代藩主です。官位は従四位上・左近衛権中将、讃岐守に叙任されました。

生涯

第6代藩主・松平頼真の長男として生まれました。母は側室の即就院（中山氏）です。

寛政4年（1792年）に、叔父で第7代藩主であった松平頼起の跡を継ぎました。当初は緊縮財政を行っていましたが、次第に奢侈に傾斜し、藩札を乱発したことで物価高騰と紙幣の価値低下（インフレーション）を招きました。また、殖産振興策も奏功せず、江戸屋敷が火災に見舞われたり、屋島神社（讃岐東照宮）造営の建築費を支出するなどした結果、江戸・大坂の商人からの借財が50万両以上に達し、藩財政は破綻状態に陥りました。

財政難を打開するため、東浜の海岸一帯を埋め立てて問屋街を造成したり、「讃岐二白」と呼ばれる製塩と製糖の産業育成を試みたりしました。しかし、藩主在任中に16回もの旱魃に見舞われるなど、苦難が続きました。

文政4年（1821年）に、婿養子の頼恕に藩主の座を譲り、隠居しました。文政12年（1829年）に55歳で死去しています。

系譜

父：松平頼真（1743年 - 1780年）
母：即就院 - 中山氏
養父：松平頼起（1747年 - 1792年）
正室：藤姫（1778年 - 1796年） - 前田治脩の養女、前田重教の四女
継室：晴姫 - 池田治政の娘
室：藤木氏
次男：松平頼胤（1811年 - 1877年） - 松平頼恕の養子
生母不明の子女
長男：松平頼該（1809年 - 1868年） - 宮脇松平家
三男：松平頼顕（美笑庵水盟） - 美笑正流第16代家元
四男：本多忠民（1817年 - 1883年） - 本多忠考の婿養子
女子：倫姫 - 松平頼恕正室
女子：井伊直亮正室
女子：板倉勝明正室
女子：律姫（? - 1813年） - 前田斉泰婚約者
養子
* 男子：松平頼恕（1798年 - 1842年） - 徳川治紀の次男

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