柘植正時

柘植 正時（つげ まさとき）について

柘植正時は天正12年（1584年）に摂津国で生まれ、江戸時代初期の江戸幕府旗本として名を馳せました。彼は父の柘植正俊から家督を継ぎ、天正12年から寛永19年（1643年）までの長い人生を通じて幕府に仕えました。彼の通称は三四郎または平右衛門で、弟には柘植正勝がいます。母方の親族として丹羽氏勝の娘を持つことから、彼の家系は有力であることが伺えます。

正時は慶長5年（1600年）に徳川家康に仕官し、早くからその才能を発揮しました。慶長14年（1609年）に父の後を継いで家督を相続した後、1610年には駿府において出仕します。この年には大坂の陣に参加し、戦場での経験を積むことになります。戦後は小姓組に加わり、その後は寛永2年（1616年）から徳川秀忠に仕官、さらには寛永9年（1632年）より徳川家光に仕えることになります。

彼の役職としては、寛永8年（1631年）に使番となり、同年の11月に布衣の許可を得るなど、その地位は徐々に確立されていきました。寛永10年（1633年）には大きな役割を果たし、1000石の加増を受け、合計で2400石を与えられました。江戸城本丸の修理奉行を務めるなど、多岐にわたる任務に従事しました。

特に注目すべきは、寛永17年（1640年）に長崎奉行に就任した際の彼の行動です。この地位についた正時は、同年6月12日に大目付井上政重と共に平戸へ向かい、オランダ商館の破壊を命じました。これは、そこに記された西暦年号が問題視されたためで、オランダ商館長フランソワ・カロンをはじめ、200人のオランダ人が倉庫の物資を他所に移し、商館を撤去することになりました。そしてその後、商館は出島に再設置されることになりました。この一連の動きは、当時の貿易政策にも大きな影響を与えたとされています。

しかし、彼の晩年は病に苦しむことになり、寛永19年（1642年）には長崎奉行の職を辞することとなります。最終的には、同年12月9日に59歳で逝去しました。彼の墓所は大阪府吹田市の大雄院にあります。

参考文献

• - 寛永諸家系図伝 第7巻
• - 寛政重修諸家譜 第8巻

柘植正時の活動は江戸時代の貿易や外交に少なからぬ影響を与え、彼の名は後世に残ることとなりました。彼の生涯を通じての功績は、幕府の安定と繁栄に寄与したと評価されています。

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