根岸衛奮

根岸衛奮について

根岸衛奮（ねぎし もりいさむ、1821年 - 1876年）は、江戸時代末の幕老であり、各種の官職を歴任した政治家です。彼は根岸衛恭の子供で、先祖には江戸町奉行や著名な怪異譚の編者である根岸鎮衛がいました。通名としては栄太郎や九郎兵衛で知られています。彼の生涯には数多くの政治的な足跡が記されています。

戦後政治の舞台での活躍

根岸衛奮は、天保4年（1833年）に家督を相続し、その後小普請に入りました。その後の数年間、西丸書院番や小納戸、使番といった様々な役職を経て、嘉永7年（1854年）には西丸目付となります。その後、新潟奉行、奈良奉行などを歴任し、文久元年（1861年）には外国奉行に転任し、その際には2000石の加増を受けました。

彼は文久2年（1862年）には道中奉行を兼ねて、14代将軍徳川家茂の上洛に際しその見分を担当しましたが、見分に不備があったとしてことのほか差控となり、小普請組支配に降格されました。その数年後の元治元年（1864年）には、大目付として要職に復帰し、再び勘定奉行として重要な役割を果たしました。

晩年と影響

さらに、慶応元年（1865年）には江戸南町奉行、慶応2年には関東郡代という重要な地位に就任しましたが、慶応4年（1868年）には一橋家の家老としてのポジションを得ました。明治9年（1876年）に56歳で亡くなる際には、彼の政治的貢献が評価されていました。彼の墓は東京都港区麻布の善学寺に所在していましたが、現存しないとされています。

著作とその意義

根岸衛奮は、幕府の役人に関する任免記録である『柳営補任』を著しました。この著作は天保8年（1837年）から編集が始められ、21年後の安政5年に完成しました。この作品は幕府の役人に関する重要な史料として位置づけられていますが、その後の慶応期に加筆された部分も含まれます。

このように、根岸衛奮は幕末の日本において、政治、行政を通じて大きな影響を持った人物であり、その著作は今でも研究者によって参照されています。彼の功績は、日本の近代政治史を考える上で非常に重要なものとなっています。

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