桂宮淑子内親王

桂宮淑子内親王について

桂宮淑子内親王（かつらのみや すみこないしんのう）は、文政12年（1829年）1月19日に生まれ、明治14年（1881年）10月3日に亡くなりました。彼女は仁孝天皇の第三皇女であり、世襲親王家の桂宮の第12代当主です。生母は按察使典侍（あぜちのすけ）の甘露寺妍子で、幼名は敏宮（ときのみや）という名でも知られています。淑子内親王は、異母弟である孝明天皇と、徳川家茂の正室である和宮が異母姉妹にあたります。

生涯と経歴

淑子内親王は、天保11年（1840年）に閑院宮愛仁親王との婚約が取り決められましたが、結婚を控えた1842年に愛仁親王が急逝してしまいました。この出来事により、桂宮は当主不在となる状況が続きました。その後、異母弟の節仁親王が桂宮を継承しますが、節仁も天保7年（1836年）に亡くなったため、桂宮は再び空白の時代を迎えます。

文久2年（1863年）、淑子は第12代当主として桂宮を継承することになりましたが、女性による世襲親王家の継承は彼女が唯一の例です。彼女は慶応2年（1866年）に准三宮（准后）・一品に叙され、以後は桂准后宮（かつら じゅごうのみや）と称されるようになります。この時、桂宮内での位置づけは非常に高く、同じ准三宮である九条夙子（英照皇太后）よりも上位に立つことになりました。

最後の年である明治14年に53歳で亡くなった淑子内親王の葬儀は、同年10月20日に京都府京都市上京区の相国寺で執り行われました。彼女は泉涌寺内に葬られ、その墓所には朝彦親王墓や守脩親王墓が隣接しています。淑子の死去により桂宮家は断絶し、その後、久邇宮朝彦親王が政府に働きかけて三男の世志麿（久邇宮邦彦王）に桂宮を継がせようとしたものの、実現することはありませんでした。

性格と人柄

淑子内親王は人見知りが激しい性格でした。御所の庭を散歩する際も、輿に乗り、簾の間から周囲を覗くという行動をとっていたそうです。その様子は、物怖じしない性格の異母妹である和宮とは全く対照的であり、時には同居していた時期もあったとされています。彼女の住まいとして知られる桂宮邸は現在、二条城本丸御殿として利用されています。

また、淑子は能を愛好しており、彼女の趣向により桂宮邸の一部は能舞台として利用できるように改装されています。その遺構は現在でも残っており、彼女の文化的な影響を今に伝えています。

まとめ

桂宮淑子内親王の生涯は、女性が世襲親王家を継承することが非常に難しい時代に行われた稀有な例として歴史に名を刻んでいます。具体的な業績に加え、彼女の人柄や趣味についても知ることで、当時の宮廷社会の一端を垣間見ることができるでしょう。

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