桓石康

桓石康（生年不詳 - 404年）は、東晋末期の動乱期に生きた軍人です。彼は譙国竜亢県（現在の安徽省一帯）の出身で、父は東晋の重鎮である征西大将軍・桓豁でした。

桓石康は、東晋に仕え、振威将軍に任じられました。元興2年（403年）8月、荊州刺史であった桓偉が亡くなると、南郡相であった桓石康がその後任として、西中郎将・荊州刺史に任じられました。この頃、東晋の朝廷は、簒奪を企む桓玄の勢力下にあり、国内は不穏な情勢にありました。

同年9月、殷仲堪の一派であった庾仄が挙兵し、雍州刺史・馮該が守る襄陽を攻撃しました。馮該は防戦できずに逃走し、庾仄は7千の兵を率いて、丞相の桓玄を討つと宣言しました。桓石康は荊州に到着すると、南蛮校尉の羊僧寿と共に兵を率いて襄陽を攻め、庾仄を打ち破り、庾仄は後秦へと逃亡しました。

同年12月、桓玄が帝位を簒奪し桓楚を建国すると、桓石康は右将軍に任じられ、武陵王に封じられました。しかし、その支配は長くは続きませんでした。

元興3年（404年）4月、劉裕が桓玄に対して兵を挙げると、桓玄は首都の建康を放棄して江陵へと逃れました。桓石康は桓玄を迎え入れ、城の南に幔屋を張り、百官を配置しました。しかし、劉裕軍の追撃は厳しく、桓玄はさらに漢中方面への逃亡を余儀なくされました。

同年5月、桓石康は桓玄と共に漢中方面へ逃亡しましたが、益州督護の馮遷によって殺害されました。桓玄も程なくして殺害され、桓楚は滅亡しました。

桓石康は、激動の時代に翻弄された人物であり、父の桓豁の築いた基盤を受け継ぎながらも、桓玄の簒奪に加担し、最後は道連れとして悲劇的な最期を遂げました。

家系
父：桓豁
兄弟：桓石虔、桓石秀、桓石民、桓石生、桓石綏

参考文献
『晋書』巻74、巻99
『資治通鑑』巻113

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