榊山神社 (中津川市)

榊山神社

榊山神社（さかきやまじんじゃ）は、岐阜県中津川市福岡に鎮座する神社です。旧社格は郷社で、地域の人々に崇敬されています。

祭神

建速須佐之男命（たけはやすさのおのみこと）
天照大神（あまてらすおおみかみ）
伊邪那美之命（いざなみのみこと）

歴史

神社の創建は古く、養老2年（718年）6月に荒田栄久によって勧請されたと伝えられています。以下は、由緒書に記された創建に関する伝承です。

荒田栄久の家の庭に、天から七本の杉の苗が降ってきました。その時、荒田家の童子が神託を受け、「我は津島牛頭天王である。この地に住み、長くこの地を守護しよう。その証として杉の苗を置いた。」と告げました。

これを受け、荒田栄久は杉の苗を植えて森とし、社殿を築いて「飛天王」と称し、牛頭天王を氏神として崇めました。この出来事が、地名「植苗木（うえなえぎ）」の由来になったとされています。

鎌倉時代には、遠山一雲入道が広恵寺城から木曽川に臨む高森に城を築いた際、「植」の字を省いて「苗木」としました。以降、この地は苗木遠山氏によって守られることになります。また、この頃、広恵寺城には宗良親王が身を寄せていたという言い伝えがあります。

南北朝時代には、敵軍に攻められた際、遠山景利が飛天王に祈ると、社殿から矢が放たれ、暴風雨が起こり、敵軍が退散したという伝説も残っています。

戦国時代、遠山直廉が苗木城を築城すると、飛天王を苗木城に移転しようとしましたが、神体が途中で動かなくなってしまいました。そこで、直廉は現在の地に飛天王を祀ることを決め、天文10年（1541年）に新たな社殿を築きました。これが現在の社地となっています。

江戸時代には、苗木藩の保護を受け、地域の人々に大切にされてきました。

明治元年（1868年）に、神社は「榊山神社」と改称されました。また、上苗木の飛天王の跡地には、明治32年（1899年）に植苗木神社が創建されています。

現在の社殿の多くは、昭和11年（1936年）に再建されたものです。

例祭

毎年7月第4土・日曜日に開催される例祭は、「たたき祭り」として知られています。巫女による舞や神への祝詞が奉上された後、氏子の代表が参拝者を榊で叩いていきます。これは、飛天王を苗木城へ移転しようとした際、神体が動かなくなり、家臣たちが榊で供の者を叩いたという伝承に由来しています。

文化財

重要文化財

太刀 銘 吉則：南北朝時代の刀工、三条吉則の作で、「吉則」二字銘があります。第12代苗木藩主、遠山友禄が寄進したもので、1928年に重要文化財に指定されました。現在は、中津川市苗木遠山史料館に寄託されています。

中津川市指定文化財

榊山神社 本殿
榊山神社 拝殿
榊山神社 石灯籠
榊山神社 乃木希典筆跡（記念碑）

交通機関

北恵那交通付知峡線「福岡総合事務所前」下車

外部リンク

榊山神社公式ホームページ

参考文献

* 『福岡町史　通史編　下巻』　第九章　宗教　第二節　町内に鎮座の各神社　榊山神社　p961～p962　福岡町　1992年

脚注

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