横山正和

横山正和：日本のアニメーションを彩る音響効果技師

横山正和氏（1948年 - 2020年3月3日）は、日本のアニメーション史に多大な貢献をした音響効果技師です。数多くのアニメ作品に携わり、独特のサウンドデザインで視聴者を魅了しました。

E&Mプランニングセンターから独立、個人事務所を開設

かつてはE&Mプランニングセンターに所属していましたが、後に「サウンドエフェクト横山」という個人事務所を設立。同名の株式会社サウンドエフェクトとは別組織です。 個人事務所という形態を選び、自身のペースで作品制作に携わることができたと推察されます。

アニメ作品への貢献

氏のキャリアにおいては、東京ムービー（トムス・エンタテインメント）やサンライズの作品への関与が特に顕著です。これらのスタジオ作品以外にも、AUDIO PLANNING Uや東北新社が音響制作を担当したアニメ作品にも多く参加し、幅広い作品でその才能を発揮しました。小林克良氏や浦上靖夫氏といった著名な音響関係者からの信頼も厚く、多くの作品で起用されています。

特に晩年まで携わった『名探偵コナン』は、氏の代表作の一つと言えるでしょう。後任にはE&M時代の後輩である石野貴久氏が選ばれ、横山氏の意志と技術はしっかりと受け継がれています。

作品リスト：多様なジャンルへの挑戦

横山氏が手がけた作品は実に多岐に渡ります。代表的な作品として、以下が挙げられます。

テレビアニメ:『名探偵コナン』、『焼きたて!!ジャぱん』、『こてんこてんこ』、『ガラスの仮面』、『ブレンパワード』、『海がきこえる』、『華星夜曲』、『三つ目がとおる』、『緊急発進セイバーキッズ』、『太陽の使者 鉄人28号』、『超電動ロボ 鉄人28号FX』、『疾風!アイアンリーガー』、『ヤマトタケル』、『ぼくの地球を守って』、『サッカーフィーバー』、『レッドバロン』、『行け!稲中卓球部』、『バーチャファイター』、『怪盗セイント・テール』、『こどものおもちゃ』、『B'T-X』、『わんころべえ』、『忍ペンまん丸』、『B'T-X NEO』、『絶滅の島』、『デビルマンレディー』、『人形草紙あやつり左近』、『PROJECT ARMS』、『高橋留美子劇場』、『天使な小生意気』、『アズサ、お手伝いします!』、『愛してるぜベイベ★★』、『プレイボール』、『まもって!ロリポップ』、『古代王者 恐竜キング Dキッズ・アドベンチャー』、『CLANNAD（クラナド）』（劇場版）、『ゴルゴ13』、『ニャニがニャンだー ニャンダーかめん』、『源氏物語千年紀 Genji』、『COBRA THE ANIMATION』、『まじっく快斗』、『ふるさと再生 日本の昔ばなし』、『それでも世界は美しい』、『パロルのみらい島』など。

劇場版アニメ:『ドラえもん』シリーズ（『帰ってきたドラえもん』、『のび太の結婚前夜』、『おばあちゃんの思い出』、『がんばれ!ジャイアン!!』、『ぼくの生まれた日』など）、『スレイヤーズ』シリーズ（劇場版、OVA）など。

その他:『サンダーバード』（科学救助隊テクノボイジャーパイロット版）、『週刊ストーリーランド』（※松田昭彦氏と連名）、『ブラック・ジャック2時間スペシャル 〜命をめぐる4つの奇跡〜』、『フレンズ』（海外ドラマ日本語吹き替え版）など。

これらの作品を通して、横山氏は自身の高い技術と豊かな表現力で、アニメーションの世界に多くの魅力と深みを与えました。

技術の継承

横山氏には、宮下義和氏、五十嵐禎氏という2人の弟子がいました。また、実娘である横山亜紀氏も音響効果の仕事に携わっています。技術と情熱は、弟子や娘へと受け継がれ、今後も日本のアニメーション界を支えていくことでしょう。

72歳という年齢で逝去された横山正和氏ですが、その功績は日本のアニメーションの歴史に深く刻まれています。彼の作品は、これからも多くの視聴者を魅了し続けることでしょう。

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