横峰寺

横峰寺の紹介

横峰寺（よこみねじ）は、愛媛県西条市小松町に所在する真言宗御室派の寺院です。石鈇山（いしづちざん）という名称の山の一部にあり、院号としては福智院（ふくちいん）を持ちます。ここでは、大日如来が本尊として祀られており、四国八十八箇所の第60番札所とされています。特に、この寺院は石鎚山の西遥拝所であり、その背景には神聖な自然が広がっています。

基本情報

横峰寺の本尊は大日如来で、真言は「おん あびらうんけん ばざらだどばん」と知られています。また、寺のご詠歌には「たて横に峰や山辺に寺建てて　あまねく人を救ふものかな」という一句があり、その教えは多くの人々に影響を与えています。さらに、納経印には当寺の本尊や奥の院、四国七福神の大黒天などが記載されています。

寺の歴史

横峰寺は、白雉2年（651年）に役行者が修行を行った際に創建されたと伝えられています。彼は星ヶ森で蔵王権現の姿を石楠花の木に刻み、その後行基が天平年間（729年 – 748年）に入山したとのことです。また、延暦年間には石仙という僧が住持し、桓武天皇の病を癒す功績を上げたため、菩薩号を賜ることになります。

大同年間には空海（弘法大師）がこの地を訪れ、蔵王権現を感得し、大日如来像を刻み、本堂を整えたとされています。また、承応2年（1653年）には蔵王権現を祀る本社が存在し、開山堂が建立されました。江戸時代には四国霊場巡礼者たちがこの寺に立ち寄った後、鉄ノ鳥居での拝観が行われ、詳細な宗教的活動が広がっていたことが記されています。

近代の変遷

明治初年の神仏分離令によって、横峰寺は一時廃寺となり、周囲の寺院がその役割を引き継ぐことになりました。この影響で、横峰寺の本尊も他の場所へ移され、名称も変更されることとなりました。しかし、1880年には檀信徒の協力によって大峰寺という名前で復興し、最終的に1909年に再び横峰寺という名称に戻りました。

境内の見どころ

境内には、仁王門や本堂があり、本堂には金剛界の大日如来坐像が安置されています。左脇には蔵王権現像、右脇には秘仏の石仙菩薩が並び、作られた時期の異なる歴史的な彫像が展示されています。また、鐘楼や大師堂、星供大師など、多くの建物が境内にあり、それぞれの歴史や役割を持っています。

特に、5月上旬には境内に咲き誇るシャクナゲが有名で、多くの訪問者がその美しさを楽しむために訪れます。この時期には、観光客が増えて交通渋滞が発生することもあります。また、訪れる際の交通アクセスには、鉄道やバス、自動車があり、便利な道が整備されています。

終わりに

横峰寺は、歴史的な由来と美しい自然に囲まれた神聖な場所として、人々に愛される寺院です。信仰の場としてだけでなく、観光名所としても注目されています。訪れた際には、その深い歴史と文化に触れながら、静かなひとときを過ごすことができるでしょう。

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