檀石槐

檀石槐（だんせきかい）

檀石槐（137年 - 181年）は、後漢末期の鮮卑族の大人（部族長）として知られています。投鹿侯の子であり、和連の父、魁頭・扶羅韓・歩度根・騫曼らの祖父にあたります。

生涯

誕生

順帝の永和2年（137年）、投鹿侯の妻は、彼が南匈奴に従軍中の3年の間に男子を産みました。彼女は、ある日外を歩いていると、雷鳴とともに雹が口に入り、それを飲み込んだことで身重になったと主張しましたが、投鹿侯は信じず、離別しました。檀石槐は母の実家で養育されることになりました。

青年時代

檀石槐は幼い頃から勇敢で統率力に優れていました。14、15歳頃、別部族の大人である卜賁邑が檀石槐の母の部族を襲撃し、家畜を略奪しました。これを聞いた檀石槐は単騎で卜賁邑を追撃し、略奪された家畜を取り返しました。この出来事により、彼の名は諸部族に知れ渡るようになりました。

大人への推戴

檀石槐の出す命令や裁きは公平であり、次第に彼は大人（部族長）として推戴されるようになりました。彼は大人庭を高柳の北300余里の弾汗山・啜仇水のほとりに建設し、東西の部族が彼のもとに帰順しました。その兵力は強大で、南は漢の国境地帯を略奪し、北は丁零の南下を阻み、東は夫余を撃退し、西は烏孫に攻撃を仕掛けました。その領域はかつての匈奴の版図に匹敵し、東西14000余里、南北7000余里に及ぶ広大なものでした。

永寿2年（156年）には、3～4千騎を率いて雲中を襲撃しました。延熹元年（158年）以降も、鮮卑は漢の北辺を度々寇掠。張奐率いる漢軍に撃退されることもありましたが、侵入は激化の一途を辿りました。延熹9年（166年）には、南匈奴・烏桓と連合し、数万騎で縁辺九郡に侵入。朝廷は和親を図ろうとしましたが、檀石槐は拒否し、略奪はさらに激化しました。

檀石槐は領土を東・中・西の三部に分割し、それぞれに大人を置いて統治させました。霊帝の時代になると、鮮卑は幽州・并州・涼州で略奪を繰り返し、国境地帯の諸郡は大きな損害を受け続けました。

熹平3年（174年）には北地に侵入し、太守の夏育に撃破されました。しかし、その後も鮮卑の寇掠は止まず、熹平6年（177年）には朝廷が夏育・田晏・臧旻らを派遣して討伐を試みましたが、檀石槐の迎撃により大敗を喫しました。

光和元年（178年）には、人口増加に伴う食糧難を解決するため、汙国（倭人）を襲撃し、捕えた人々を烏侯秦水に移住させて漁撈に従事させました。

光和4年（181年）、檀石槐は45歳で死去。息子の和連が跡を継ぎ、鮮卑は選挙制から世襲制へと移行しました。

檀石槐の死後、鮮卑は次第に衰退していきますが、彼の築き上げた基盤は、その後の鮮卑の歴史に大きな影響を与えました。

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