臧旻

臧旻（ぞう びん）

臧旻（生没年不詳）は、後漢時代に活躍した軍人です。広陵郡射陽県（現在の江蘇省淮安市淮安区）の出身で、子の臧洪もまた歴史に名を残しています。

生涯

臧旻は事務処理能力に非常に長けており、政務を滞りなく遂行したことから、当時の人々から「漢の良吏」と評されていました。

初期には徐州従事として、五侯の単超らに追われていた第五種を弁護する活躍を見せました。第五種はその後、大赦によって罪を許されています。

司徒府に召し抱えられた臧旻は、盧奴県の県令に任命されます。そこでの治績が認められ、冀州刺史によって朝廷に推挙されました。

揚州刺史として

熹平元年（172年）11月、会稽郡句章県（現在の浙江省寧波市）で、許昭という人物が挙兵し、自らを大将軍と称し、父の許生を越王に立てるという事件が起こりました。許昭の軍勢は周辺地域を破竹の勢いで席巻し、その規模は1万人にまで膨れ上がりました。事態を重く見た朝廷は、臧旻を揚州刺史に任命し、丹陽太守の陳寅を率いさせ、反乱の鎮圧に当たらせました。

臧旻は一度、許昭らを打ち破ることに成功しますが、賊は再び勢力を盛り返します。

熹平二年（173年）、会稽太守の尹端が賊に敗北するという失態を演じました。臧旻は尹端の罪を弾劾し、棄市（公開処刑）に処すよう上奏しましたが、会稽郡主簿の朱儁によって上奏文の内容を書き換えられてしまいます。

熹平三年（174年）の冬、臧旻は陳寅を率いて盗賊の苴康を打ち破り、同年11月には会稽において許昭らを遂に撃破し、許昭父子を捕らえて斬首しました。この戦いにおいて、孫堅が呉郡の司馬として従軍し、功績を挙げたため、臧旻はこれを朝廷に報告しました。

また、呉郡の陸康を茂才（地方長官が推薦する優秀な人材）に推挙しています。

その後

反乱鎮圧の功績により、臧旻は丹陽太守に昇進しました。その後、使匈奴中郎将に転任しています。

熹平六年（177年）8月、夏育の建議によって開始された鮮卑討伐において、臧旻は南匈奴の単于を率いて雁門関から出撃しました。しかし、この戦いで大敗を喫し、軍勢の約8割を失い、わずか十数騎で敗走するという失態を演じてしまいます。臧旻は檻車に入れられて都に送還され、庶人に落とされました。

後に、賊討伐における過去の功績が認められ、都へ帰ることを許され、議郎に任命されました。その後、長水校尉となり、中山、太原の太守を歴任し、その名声を高めました。そして、在官のまま亡くなりました。

参考文献

『後漢書』
「霊帝紀」
「陸康伝」
「第五種伝」
「朱儁伝」
『三国志』
* 「孫堅伝」

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