正親町三条実豊

正親町三条実豊（おおぎまちさんじょう さねとよ）は、南北朝時代後期から室町時代初期にかけて朝廷に仕えた公卿であり、正親町三条家の八代目を務めました。父は内大臣であった正親町三条公豊です。

実豊は、その生涯において正二位・権大納言という高い官位にまで昇進しました。彼の日記である『実豊卿記』は、残念ながら一部が残欠として現代に伝わっています。しかし、その内容は当時の社会情勢や文化、政治的な動きを知る上で貴重な情報源となっています。

また、後光厳天皇の外戚であり、三条公忠の縁故者であった正親町三条実継・実音兄弟からの情報が、後押小路内大臣三条公忠の日記『後愚昧記』に取り込まれていることからも、実豊の家系が朝廷内で重要な役割を果たしていたことが伺えます。実豊の日記もまた、持明院統外戚家の記録として重んじられていた可能性があります。

実豊の弟である公保は、権中納言であった三条西実清が実子に恵まれなかったため、その跡を継ぎ、最終的には内大臣にまで至りました。

経歴

以下は、『公卿補任』と『尊卑分脈』に記載されている内容に基づいた実豊の経歴です。

至徳2年（1385年）：参議右中将として初めて朝廷に出仕。同年3月27日には能登権守を兼任し、従三位に叙せられます。
明徳元年（1390年）2月1日：相模権守を兼任。
明徳3年（1392年）1月6日：正三位に昇叙。
応永2年（1395年）4月7日：権中納言に任ぜられる。
応永3年（1396年）1月5日：従二位に昇叙。
応永4年（1397年）12月19日：権大納言に任ぜられる。
応永7年（1400年）1月5日：正二位に昇叙。
応永11年（1404年）4月10日：父である公豊に先立ち、この世を去りました。

系譜

父：正親町三条公豊（1333年 - 1406年）
母：不詳
妻：不詳
男子：正親町三条公雅（1384年 - 1427年）
女子：不詳

参考文献

国史大系編集会 編『公卿補任（新訂増補国史大系）』吉川弘文館 黒板勝美。 
国史大系編集会 編『尊卑分脈（新訂増補国史大系）』吉川弘文館 黒板勝美。 
原 勝郎、『東山時代に於ける一縉紳の生活』、講談社学術文庫
『東京大学史料編纂所報』第15号
『東京大学史料編纂所報』第16号

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