歩兵第16連隊

歩兵第16連隊

歩兵第16連隊は、大日本帝国陸軍に所属した連隊の一つで、新潟県新発田市にその拠点を置いていました。日清戦争から太平洋戦争に至るまで、数多くの戦場に投入され、その軍功は目覚ましいものでしたが、同時に多くの戦病死者を出すこととなりました。

歴史

明治維新後、近代的な兵制を確立するため、1871年（明治4年）に新潟に東京鎮台第1分営が設置されました。その後、新発田城内に新兵舎（白壁兵舎）が完成したことを機に、歩兵第3大隊が移駐し、仙台鎮台の所属部隊となりました。1884年（明治17年）6月には、新発田歩兵第16連隊として正式に編成され、同年8月15日に軍旗が授与されました。

当初は仙台鎮台に所属していましたが、1888年（明治21年）の鎮台改編により師団が創設されると、第2師団隷下となりました。日露戦争後には新設された第13師団に所属変更となりましたが、1925年（大正14年）の宇垣軍縮によって第13師団が廃止されたため、再び第2師団の所属に戻りました。太平洋戦争時の通称号は「勇1302」でした。

沿革

1884年（明治17年）6月 - 第1から第3までの3個大隊が編成完結。
8月15日 - 軍旗拝受。
1888年（明治21年）5月 - 第2師団創設、同師団第3旅団隷下に入る。
1894年（明治27年）10月 - 日清戦争のため新発田を出発。清国の山東半島・遼東半島・台湾方面で戦闘。
1896年（明治29年）5月 - 帰還。
1904年（明治37年）2月 - 日露戦争のため新発田を出発。満州の丹東・撫順・鉄嶺で戦闘。
1905年（明治38年） - 第2師団から第13師団に所属変更。
12月 - 帰還。
1919年（大正8年）10月 - シベリア出兵のため第13師団隷下として新発田を出発。シベリア沿海州ハンカ湖南東岸方面で戦闘。
1921年（大正10年）5月 - 帰還。
1925年（大正14年）5月1日 - 宇垣軍縮により第13師団廃止、第2師団に所属変更。
1931年（昭和6年）4月 - 満州事変のため第2師団隷下として新発田を出発。満州の遼陽・奉天・長春・吉林・チチハル・ハルビン・牡丹江方面で戦闘。
1933年（昭和8年）1月 - 帰還。
1937年（昭和12年）4月 - 日中戦争のため新潟港を出発。中華民国の山西省太原で戦闘。
1937年（昭和12年）12月 - 帰還。
1939年（昭和14年）8月 - ノモンハン事件勃発、第2師団隷下として関東軍の一員として牡丹江方面から出動。満州国とモンゴル人民共和国との国境付近ノモンハンで戦闘。
1940年（昭和15年）10月 - 帰還。
1941年（昭和16年）12月 - 新発田を出発。ジャワ島・ガダルカナル島・フィリピン・中国雲南省・ビルマ方面で戦闘。
1945年（昭和20年）8月 - ベトナムのサイゴン付近で終戦。

特設連隊

後備歩兵第16連隊（日露戦争に特設・後備歩兵第1旅団）
1904年（明治37年）6月 - 後備歩兵第16連隊は新発田を出発。満州の旅順・奉天・鉄嶺で戦闘。
1905年（明治38年）12月 - 新発田に帰還、解隊。
歩兵第116連隊（日中戦争勃発に伴い、第13師団隷下部隊として編成）
1937年（昭和12年）9月 - 第13師団隷下歩兵第116連隊は新発田を出発。中華民国の上海・南京・徐州・漢口・長沙・柳州・独山・佳林で戦闘。
1945年（昭和20年）8月 - 湖南省東安で終戦。

訓練施設

営前練兵場：現在の新発田城址公園、自衛隊敷地内ヘリポート。
町裏練兵場：新発田南高校の裏一帯の場所。
射撃場：大宝寺射撃場（新発田市の真木山の北側）、大日ヶ原（阿賀野市の五頭山ふもと）。

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