段渉復辰

段渉復辰（だん しょうふくしん）

段渉復辰（拼音：Duàn Shèfùchén、生年不詳 - 318年）は、鮮卑段部の大人です。石勒載記には段截附真、元帝本紀には段辰と記載されています。父は段乞珍、兄は段務勿塵です。

生涯

312年頃、段渉復辰は兄である段務勿塵の死後、その子である段疾陸眷を後継者に指名しました。時期は不明ですが、朝廷より単于・広寧公に封じられています。

317年7月、段匹磾は劉琨と共に石勒討伐を計画し、固安に進駐すると、段疾陸眷、段渉復辰、段末波らを招集しました。しかし、段末波はかつて石勒から受けた恩義を理由に、進軍を拒否します。さらに、段渉復辰らに対し「父兄が子弟に従うのは恥ではないか。仮に功績を挙げても、匹磾が独占するだろう。我々に何の利益があるのか」と説得したため、段渉復辰は軍を撤退させました。これにより、劉琨と段匹磾の勢いは衰え、退却を余儀なくされました。

318年1月、段疾陸眷が病死。子の幼さから、代わりに段渉復辰が自ら位を継ぎました。

薊城を統治していた段匹磾は、甥の死を聞き、段部の本拠地である令支へ向かいました。これに対し、従弟の段末波は「匹磾は簒奪を企んでいる」と進言し、段渉復辰もこれに同意します。段匹磾が右北平に入ると、段渉復辰は兵を発してその前進を阻みました。しかし、段末波は隙を突いて段渉復辰を襲撃し、彼とその子弟を含む一派を皆殺しにし、自ら単于を名乗り、独立しました。

参考文献

『晋書』（元帝明帝紀、列伝第三十三）
『資治通鑑』（巻第八十七、巻第九十）
* 『魏書』（列伝第九十一）

もう一度検索