段末波

段末波（だん まつは）

段末波（拼音：Duàn Mòbō、生年不詳 - 325年）は、4世紀初頭の鮮卑段部の大人です。『晋書』では段末杯、『資治通鑑』では段末柸と記されています。彼は、段疾陸眷と段匹磾の従弟にあたり、子に段勤がいます。

生涯

段末波は、勇猛さで知られる段部の中でも特に精強であり、率いる兵も精鋭ぞろいだったと伝えられています。

312年、幽州刺史の王浚が石勒討伐の兵を起こすと、段部の大人である段疾陸眷は5万の兵を率いてこれに応じ、段末波も従軍しました。討伐軍は渚陽まで進軍し、石勒軍の諸将を破りましたが、石勒の策略により伏兵の奇襲を受け、段末波は生け捕られてしまいました。石勒は当初、段末波を解放し、懐柔策を取りました。段末波を酒宴に招き、父子の誓いを交わし、使持節・安北将軍に任じ、北平公に封じて遼西に帰還させました。段末波は石勒の厚遇に深く感謝し、帰路の途中、日に何度も南へ向かって拝礼したと伝えられています。

その後、段匹磾が劉琨と共に石勒討伐を計画すると、段疾陸眷らはこれに呼応しようとしましたが、段末波は石勒から受けた恩義に報いるため、また、王続からの賄賂もあって、これに応じませんでした。そして、段疾陸眷らを説得し、軍を撤退させました。

318年、段疾陸眷が亡くなると、後継を巡って内紛が勃発します。段匹磾が国権を掌握しようと画策していることを知った段末波は、先手を打って段渉復辰を殺害し、自ら単于を称して自立しました。さらに、段匹磾を破り、薊城へ逃れた段匹磾を追撃しました。劉琨を味方に引き入れようとしましたが失敗し、劉琨は段匹磾に殺害されました。

その後、段末波は東晋へ使者を派遣し、関係を構築しました。しかし、段匹磾との抗争は激化し、段部の勢力は衰退していきました。

319年、遼東を治める東晋の崔毖の呼びかけに応じ、慕容部討伐に加わりましたが、宇文部との連携が疑われ、退却しました。

320年、段匹磾を破りましたが、邵続の支援を受けた段匹磾に大敗を喫し、軍はほぼ全滅しました。

321年、厭次が陥落し、段匹磾らが捕らえられたことで、段部は再び統一されました。段末波は後に朝廷から幽州刺史の位を追認されました。

322年、慕容廆の世子である慕容皝が令支へ侵攻し、略奪を行いました。

325年3月、段末波は死去し、弟の段牙が後を継ぎました。

宗室

男子：段勤、段思、段聡、段儀（疑義有り、段元妃と段季妃の父）
女子：成昭皇后、段妃（疑義有り）

参考資料

『魏書』（列伝第九十一）
『晋書』（元帝明帝紀、列伝第三十三、第三十二）
* 『資治通鑑』（巻八十八 - 巻九十三）

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