毛利元周

毛利元周（もうりもとちか）は、江戸時代後期に長門国長府藩の第13代藩主を務めた人物です。彼は、長府藩の世嗣であった毛利元寛の三男として江戸で生まれました。幼名は万次郎と称しました。

生後間もなく父が亡くなったため、元周は先代藩主であり叔父にあたる毛利元運の養嗣子となりました。弘化2年（1845年）12月に叙任され、嘉永5年（1852年）に元運が死去したことを受けて家督を継承しました。

藩主としての元周は、藩政において沿岸警備に力を注ぎました。大森海岸や相模湾の警備を強化し、砲台を設置するなど、防衛体制の構築に努めました。また、幕末の動乱期には、長州藩主である毛利敬親の補佐役としても活躍しました。異国船への対策にも積極的に取り組み、それまで長府藩の政庁であった櫛崎城が海に面しているという理由から、文久4年（1863年）には勝山御殿に政庁を移転しました。

元治元年（1864年）には、下関戦争において四カ国連合艦隊との戦いに参加しました。この戦いは、日本にとって外国の軍事力との直接対決であり、元周もその激戦を経験しました。

慶応4年（1868年）3月5日、元周は従弟にあたる毛利元敏（元運の六男）に家督を譲って隠居しました。そのわずか2ヶ月後の5月7日に42歳でこの世を去りました。彼の法号は諦信院殿梅庵道機大居士といい、墓所は下関市長府にある覚苑寺にあります。死後、明治24年（1891年）4月には、その功績を讃えられ従三位が追贈されました。

元周の系譜は以下の通りです。
父：毛利元寛（1803-1828）
母：不詳
養父：毛利元運（1818-1852）
正室：智鏡院 - 加藤泰幹の娘
養子：男子：毛利元敏（1849-1908） - 毛利元運の六男

毛利元周は、幕末という激動の時代において、長府藩主として、また長州藩を支える立場として、その役割を果たした人物と言えるでしょう。

関連項目

異国船打払令

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