毛利元氏

繁沢元氏（毛利元氏）：激動の時代を生き抜いた武将の生涯

繁沢元氏、別名毛利元氏は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将であり、毛利氏の重臣としてその名を歴史に刻みました。吉川元春の次男として生まれ、その波乱に満ちた生涯は、数々の戦 participationと名跡の変更によって彩られています。

仁保氏の相続と初期の活躍

弘治2年（1556年）に吉川元春の次男として生を受けた元氏は、永禄11年（1568年）に元服。毛利元就から「元」の一字を与えられ、元棟と名乗りました。永禄9年（1566年）に仁保隆在が後継者なく没したため、元亀2年（1571年）にその娘と結婚し、仁保氏の家督を相続。1700貫の所領に加え、以前から与えられていた300貫と合わせて2000貫を領有することとなりました。若年の元氏には、吉川氏一族の江田智次が後見役として付けられました。

出雲国への出陣を皮切りに、山陰道・山陽道各地を転戦。天正6年（1578年）の上月城の戦いや、天正9年（1581年）の鳥取城の戦いにも参加し、武功を重ねました。鳥取城の戦いでは、外曲輪への一番乗りという功績も残しています。

繁沢元氏への改名とその後

豊臣秀吉の九州平定後、天正14年（1586年）に父・元春、天正15年（1587年）に兄・元長が相次いで病没。元氏は輝元の意向により、仁保氏の名跡を神田元忠に譲り、繁沢元氏と改名しました。これは、元氏が病弱であったため、吉川氏の家督を継ぐことができなかったためとされています。

天正15年（1587年）には石見国の福屋隆兼旧領である3000貫の地を与えられ、石見国浜田城を築いて在城。文禄5年（1596年）には、合計12351石9斗5合が元氏の所領となりました。慶長2年（1597年）には広家から安芸国内の2000石を一代限りで分与されています。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦い後、毛利氏が長門国と周防国の2か国に減封されると、元氏も周防国に移り、玖珂郡内に3166石を与えられました。

関ヶ原後の晩年

関ヶ原の戦い後、元氏は毛利家を支え続けました。慶長18年（1613年）には、嫡男の元景が毛利姓に復することを許され、阿川毛利家として長州藩に仕えることとなります。元氏はその後も「繁沢」の苗字を使い続け、慶長20年（1615年）には、毛利元就の遺訓に従い毛利家への忠誠を誓う起請文に署名しています。

元和8年（1622年）には伊勢守の受領名を授与され、寛永2年（1625年）には長門国豊田郡天宮の内の200石を与えられました。寛永8年（1631年）に76歳で没し、その隠居領は末子の繁沢就真が相続しました。

人物

石山合戦の際に毛利氏と本願寺の取次を務めたり、小早川隆景の依頼を受けて文禄の役に従軍したりするなど、毛利氏と親交のあった本願寺の僧・端坊明念（明然）が文禄元年（1592年）に肥前国松浦郡名護屋で護念山安楽寺を開基し、翌文禄2年（1593年）に安楽寺を順了に譲った。この順了が元氏であると伝えられており、以後、安楽寺は代々毛利氏が住職を務めている。

繁沢元氏は、激動の時代を生き抜き、毛利家を支え続けた武将として、その名を後世に伝えています。

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