毛利吉広

毛利吉広：長州藩を支えた4代藩主の生涯

毛利吉広は、江戸時代前期から中期にかけて活躍した大名であり、長州藩の4代藩主として知られています。彼は、1673年に2代藩主・毛利綱広の次男として生まれました。幼少の頃から聡明であり、将来を嘱望されていましたが、35歳という若さでこの世を去りました。

生涯

吉広は、1673年に江戸の麻布藩邸で誕生しました。1684年には、右田毛利家の毛利就信の養子となり、兄である毛利吉就から偏諱を授与され、毛利就勝と名乗るようになりました。1694年に吉就が後継者を残さずに亡くなると、その養子として長州藩主の座を継承しました。その後、5代将軍・徳川綱吉から偏諱を授与され、父の一字を取って吉広と改名しました。

1696年、吉広は初めて領国に入りました。当時の長州藩は財政難に苦しんでおり、吉広は藩財政を立て直すために、三田尻海岸の干拓、橋本川の治水工事、城下町の整備、検地などの政策を積極的に展開しました。しかし、1707年に江戸の桜田藩邸で35歳で急逝し、改革は未完に終わりました。

吉広には実子がなかったため、長府藩から毛利元倚が養子として迎えられ、毛利吉元として跡を継ぎました。

藩政への貢献

吉広は、藩主として在任中、財政再建のために様々な政策を実行しました。特に、三田尻の干拓事業は、新たな耕地を増やし、藩の収入を増加させることに貢献しました。また、橋本川の治水工事は、水害から農地を守り、農民の生活を安定させることに繋がりました。さらに、城下町の整備や検地は、藩の統治体制を強化し、税収の公平性を高めることに貢献しました。

これらの政策は、長州藩の経済基盤を強化し、藩政の安定に大きく寄与しました。しかし、吉広の改革は道半ばで終わり、その後の藩政に課題を残すこととなりました。

人物

吉広は、学問を好み、文化にも造詣が深い人物でした。また、領民を大切にし、民政にも力を入れました。その一方で、積極的な性格で、自ら率先して改革に取り組む姿勢は、多くの人々に感銘を与えました。

偏諱を与えた人物

毛利広政（右田毛利家）
毛利広包（吉敷毛利家）
毛利広規（阿川毛利家）
宍戸広隆（宍戸氏）
椙杜広中（椙杜氏）
椙杜広品（椙杜氏）
福原広頼（宇部領主福原家）
福原広泰（毛利広為）（宇部領主福原家、大野毛利家より）
山内広通（山内采女広通、備後山内氏）

まとめ

毛利吉広は、若くして亡くなったものの、長州藩の発展に大きく貢献した藩主でした。彼の遺志は、後を継いだ毛利吉元によって引き継がれ、長州藩は幕末の動乱期に向けて、さらなる発展を遂げることになります。



参考文献
時山弥八編『国立国会図書館デジタルコレクション 稿本もりのしげり』1916年
* 吉田祥朔『近世防長人名辞典』（増補）マツノ書店、1976年

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