毫摂寺

毫摽寺について

毫摺寺（ごうしょうじ）は、福井県越前市清水頭町にある浄土真宗の寺院であり、山号は出雲路山です。この寺院は真宗出雲路派の本山として位置づけられています。

歴史の概要

毫摺寺の起源は、1233年に親鸞が創設したことに始まります。親鸞は山城国愛宕郡出雲路（現在の京都市北区）に寺を建立し、その後善鸞（第2世）に管理を委ねたと伝えられています。しかし、実際には本願寺の第3代覚如の弟子である乗専が創設したとされています。

覚如の子である善入（第3世）は、寺基を今出川へ移しましたが、後に明徳の乱によって戦火にさらされ、暦応元年（1338年）になると越前国の證誠寺に移ることになりました。ここで善幸が住持を務めることとなります。

その後、文明14年（1482年）に善幸の次男善鎮が住持となりますが、彼は本願寺の蓮如に帰参し、新たに正闡坊や陽願寺を開基しました。その後の世代でも、善覚（第9世）や善秀（第11世）が住持を務めましたが、寺院は困難な時期を迎えます。特に越前一向一揆の戦禍や、證誠寺との対立によって寺勢が衰退しました。

諦めずに、善照（第12世）は教線の拡大に尽力し、1596年には現在の地に寺を再興しました。この再建は、当時廃城となった小丸城の近くに位置する城下町五分市の発展に寄与し、毫摺寺は「五分市本山」として知られるようになりました。

継承と変遷

元禄年間から明治時代にかけて、毫摺寺は青蓮院の院家となり、天台宗に属しました。この時期、寺院の門主は花山院家の猶子に定められ、寺紋として菖蒲菱が使われました。時を経て、1872年（明治5年）に教部省が設置されると浄土真宗本願寺派と合同しましたが、1878年（明治11年）にはその省が廃止され、独立した一派となりました。

境内は味真公御助麻呂館の跡地とされており、また、「味真野長者屋敷」としても知られています。さらに、阿弥陀堂と御影堂は1878年に火災で焼失し、1884年に再建されました。また、鐘楼や経蔵、その他の門なども1811年に造営され、今に至ります。

文化財とその重要性

毫摺寺には文化財も数多く存在します。市指定文化財として、光明号本尊1幅やヤマモミジが含まれています。その他、非公開の隻袖阿弥陀如来像や南無仏太子像も存在しています。

また、光明天皇、後柏原天皇、後陽成天皇から勅願所の綸旨を受けており、寺院の宗教的な重要性を物語っています。歴史的な盛衰を経て、現在でも多くの人々が訪れるスポットとして存在感を示しています。

このように、毫摺寺は深い歴史と文化を育む寺院であり、地域に根ざした信仰の象徴といえるでしょう。

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